日曜日のなのはな

北極を探しにいく・日曜日更新+気まぐれ

ある晴れた昼休み

誰かと昼食を食べながら上手く笑える自信がなくて、逃げるようにオフィスを出てきた。

ついさっき、会議室で部長から告げられた事実が鉛のように肩に重く、のしかかる。とりあえずどこかで昼食を食べなければと歩き続けるけど、看板に書かれたメニューが頭に入ってこなくて彷徨ってしまう。

考えるのが面倒になって、ふと目についた喫茶店に入った。レジでお金を払う指先の感覚が、いつもより鈍い。

あれ、最後に会話したのはいつだっけ。昨日は社内のシステムでしかやりとりしなかった。最近できたシステム上での、味気ないメッセージ。あの後、対応してくれてありがとうございますと返信しようと思っていたのに、まだ返信していない。

直接話したのは先週の計上処理でばたついたときか。あの日は確か電話で話した。それから声を聞いていない。

先月あたりからずっとテレワークをしていて、何でだろう?と思っていた。心のどこかで少し引っかかっていた。でも、今までもそういうことがあったからあえて聞くことをしなかった。

聞けばよかった。昨日私が電話をかけていたら何か変わっていたんだろうか。たったひとことでも声をかけたら、少しでも思い留めることが、できたんだろうか。

冷泉公園、まだ一緒に行っていない。大好きだと言っていた番組のあみだくじイベントを見にいく約束。行きたかった。一度頓挫してしまったあの約束をもう一度取りつけていたら、何かが変わっていただろうか。

もう少し、ほんの少しだけ、手を差し伸べていたら。後悔ばかりが渦巻く。

たとえそうしたとしても、何も変わらなかったかもしれない。事情を知らないただの同僚の私が、できることなんて何もなかったかもしれない。でも気軽な関係性だからこそ、何かできることがあったのかもしれない。こんな私だから話せることが、もしかしたらあったかもしれない。

どんな気持ちで昨日の夜を過ごしていたんだろう。何を考えていたのだろう。未来が見えなくなってしまったのだろう。考えたくないのにいろんなことを想像してしまって、苦しくて涙が出る。

それでも私のお腹は空くし、これからご飯も食べる。昼休みが終われば仕事もする。私は自分の生活を続ける。それはなにも悪くないことだ。

ただ、こんな無責任な涙を流してしまう自分が情けない。何も知らなかったくせに。何もできなかったくせに。情けない。

ただ、悲しい。

茶店のランチセットは割高で、出てきたサンドイッチも小さかった。でもその量の少なさが今はありがたい。

そろそろ、お昼休みが終わる。

ブログの更新をサボっていた言い訳をします

端的に言おう。

推し活を頑張りすぎた。

1年前に発表された推しの脱退はあまりにショッキングで、「推しは推せるときに推せ」を痛感する出来事だった。推しがこれからも表舞台に立ち続けるかわからない、という状況は不安でしんどかった。

ただ、ずっと落ち込んでもどうしようもない。それなら全力で今を楽しもう!と決心した結果、私の推し活は円盤やグッズ購入にとどまらず、イベント参加、情報発信と多方面で加速を極め、ついに先日ツイッターのオタ垢のフォロワー数が4桁になった。これは一般的に「ナノインフルエンサー」の分類に入るらしい。エッヘン。

いや、ちょっと頑張りすぎたかもしれない。

でも根が承認欲求の塊みたいな人間なので、こんな私にフォロワーがついてくれるのは正直嬉しくもある。そのおかげで貴重な思い出もたくさん出来たので、ここではちょっぴり自慢させていただく。

ブログを数百人に読んでもらえた

フォロワー数が増えたひとつのきっかけは私のオタブログだ。過去1年で書いた記事はこの4つ。我ながら文字数の多さに引く。

  • 「すきすきワンワンへの想いが止まらねえ」(推し主演ドラマの感想、約2,800字)
  • 「岸くんの歌声を全曲分語ってみた」(1日1曲投稿したまとめ、約19,000字)
  • 「Gメンの脳内ダダもれ備忘録」(推し主演映画の感想4部作、約23,000字)
  • 「紫担の1万字インタビュー」(推しの退所日に綴った4年半の推し活振り返り、約14,000字)

特に歌声の投稿はフォロワーが増える起爆剤になった気がする。

記事数は多くないが、どれにもたくさんの温かいコメントをいただき、大変励みになった。なかでも私の文章を読むことで推しの(作品の)新しい魅力ポイントに気づいてくださった人が何人かいて、それがなにより嬉しかった。

顔も名前も知らない誰かが日本のどこかで、私の文章を読んで笑ったり泣いたり感動している。そう思うととても不思議で、胸が熱くなる。自分の文章に少し自信を持てる出来事だった。

映画の舞台挨拶で私の質問が読まれた

推しの主演映画『Gメン』のツイッター公式アカウントでは、公開前に「舞台挨拶で出演者に聞きたい質問をTwitterに投稿しよう」という企画を開催していた。

当日。全国の映画館で生中継される舞台挨拶の壇上で、3つの質問のうちのひとつに、なんと私のアカウント名と投稿が読み上げられた。

それなのに!!!!!!

そのとき私は映画館におらず、銀座の目抜き通りを歩いていた。

というのもその日は2回舞台挨拶があり、友達と会う約束があった私は1回目のライブビューイングだけを観て、2回目は観なかったのだ。私の質問が読まれたのはまさにその2回目。フォロワーさんから連絡をもらって初めてわかった。

連絡をもらった瞬間、私は目抜き通りでいきなり飛び上がり、気持ち悪いステップを踏んだ。そんな私を温かい目で見守ってくれた友達には心から感謝している。そして、まるで自分のことのように喜んで残念がってくれたフォロワーさんたちにも。

後日、『Gメン』公式アカウントさんから質問採用の景品が届いた。(ルイボスティー除く)

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盛り沢山で嬉しい。ただ、できることならあの舞台挨拶の映像データももらえないかな、と今も密かに願っている。

初対面の人に「ファンです」と言われた

今年は『Gメン』が公開中だったこともあり、推しの誕生日である9月29日に映画館を貸し切って鑑賞会を開催しようという動きが全国各地で広がっていた。

私の住む街でも鑑賞会を企画してくれた方がいたので、友達と一緒に参加した。(企画者がツイッターで参加者を募ったところ、総勢100人以上が集まる一大イベントになった)

当日、上映まで時間があったので、参加者が集まるフードコートの一角でご飯を食べていると、まったく知らない参加者のひとりから急に「ほとりさんですか?いつもツイッター見てます!ファンです」と話しかけられた。

結構、いやかなり、びっくりした。

私みたいな一般人の会社員が「ファンです」って言われることなんてそうそうない。この先もないだろう。

その方からお菓子をもらった。人生で初めてもらった、ファンからのプレゼントである。

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お菓子じゃなかったら永久保存したかった。

 

これまではひとりで推し活をしていたのが、色んなオタクとの輪が広がって、楽しい1年だった。

とはいえ、推しがこれからも表舞台に立ち続けることがわかったことだし、そろそろ推し活はゆるく楽しみ、それ以外のことに全力を注ぐ生活にしたいと思っている。

でも最後にひとつだけ宣伝させてほしい。

『Gメン』が、来年1月10日からNETFLIXで配信されます。吉岡里帆がぶっ飛んでて笑えます。ぜひ観てね。

限界OLの買ってよかった2022

今週のお題「買ってよかった2022」

久しぶりにブログを更新するので、リハビリがてら書こうと思う。残業しがちな限界OLを支えるアイテムたちをご紹介。

ROPÉの通勤用バッグ 

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通勤用バッグって実はなかなか、丁度いいものが見つからなかった。奮発してブランド品を買ったこともあるけど、毎日使っているとすぐ汚れるしレザーは重すぎて使いづらい。でもついに今年になって、何年も探し続けていた正解を見つけました。これです。

デザインも好きだし、ナイロン製なので軽くて汚れがつきにくい。マチが広くて書類がいっぱい入る。値段も高すぎない。私が探してたやつ!!!

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本当にめっちゃ入るのよ。普段は写真に加えてもっとたくさんの書類を入れてる。

お仕事できれいめな格好が必要な人、荷物が多い人は自信をもって勧めたいです。ガシガシ使っても全然へたれない。私はLargeのブラックを買ったけどバイカラーも可愛いよ。

ROPÉ / 【E’POR】【A4対応】【撥水】D BAG Large (バッグ / ハンドバッグ) 通販|J'aDoRe JUN ONLINE

ジェニファーロペスの香水Still

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香水にはずっと興味があったが、いかんせん人工的な香りが苦手で酔いがち。でもこの香水は一日中纏っていても気持ちが良かった。

トップノートの紅茶のような香りがすっきりしていて飽きない。華やかすぎず、でもナチュラルすぎない、絶妙なバランスを突いてるんだな。ときどき仕事中に自分で嗅いでリフレッシュしている。

ちなみに私は一瓶買ったのではなく、COLORIAで試しました。香りこそ、実際に嗅がないと博打になるけど、少量ならまだ許せる。お店で何個か試すとすぐ気持ち悪くなってしまう私には合ってるサービスだった。

輝き続ける全ての女性へ「Still」は自信溢れる魅力的な香水【JENNIFER LOPEZ】 - COLORIA MAGAZINE(カラリアマガジン)

ROPÉ PICNICのワンピース

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衣服類は来年も売ってるかわからないけど、このワンピースは今年の夏にすごく重宝したので書きたかった。仕事用の服にはあんまりお金をかけたくない、でもこのワンピースは値段の割に生地が薄っぺらくなくてコスパ抜群。ロペピクニック、侮れないぞ。(てか最近の服しれっとペラペラになりすぎちゃう?)

ふわふわなワンピースが苦手なのでワンピース迷子になってたけど、このデザインなら甘くなりすぎずに着れた。胸ポケットのデザインが良いね。ジャケットと合わせたら仕事服になるし、プライベートでもきちんとした場面で使えそう。私はライトグリーンを持ってます。色も可愛い。

ROPÉ PICNIC / ポケットディティールワンピース (ワンピース / ワンピース) 通販|J'aDoRe JUN ONLINE

Re:CENOの食器棚

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今年の引っ越しを機に買った食器棚。食器というものは、生活スタイルが変わるにつれて量の増減が激しいジャンルだなと思うんです。

それを考えると、この食器棚の魅力はなんといっても、あとから買い足せるところ。組み合わせ自由なのがよい。

私は「Rekit 壁面収納 Bセット」を買いました。木の質感が安っぽくないし、組み立ても難しくない。LOWYAなんかもお手頃価格でデザインが良くて評判だけど、とにかく組み立てが大変なので結構気をつけた方がいい。

Rekit キッチン壁面収納 - 家具・インテリア通販 Re:CENO(リセノ)

MYTREXのEMSヘッドスパ

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白状します。これは完全に衝動買い。デスクワークのせいで肩こり、眼精疲労がひどいし、マスク生活のせいで顔がどんどん下がってきてるのを身にしみて感じた私の衝動買い。もしや全部に効くのでは?!と思って買ってみた。

これで頭皮をほぐすのが気持ちいい。肩周りも良いです。首周りは敏感なのか、EMSがビクビクと響くので弱めのパワーで当ててる。

やった後は一瞬目が二重になるので、効いてるんだと思う…ちゃんと続けて小顔になりたい。

【楽天市場】【12/5限定 最大P10倍】特許取得済 電気針ヘッドスパ 楽天1位!【MYTREX公式】最大P30倍! EMS ヘッドスパ 頭皮 フェイス リフト ケア 頭皮ケア ボディ 電動 ブラシ スカルプ デンキバリ スパ 美顔器 グッズ 防水 美髪 美容 美肌 クリスマス プレゼント 実用的 マイトレックス:EMSショップ 楽天市場店

以上、限界OLの買ってよかった2022でした。ぼちぼち、ブログ再開しようと思います。

台湾ホラー映画『呪詛』感想

今週が忙しくて、土曜日には放心状態だった。こんなときはホラー映画と激辛料理でストレスを発散したい。

ということで、つい最近ネトフリで話題になり映画ランキング1位を占めている『呪詛』を観てみた。

news.yahoo.co.jp

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全体の感想

結論からいうと、めちゃくちゃ怖い!!そして色んな意味で無理!!!!!!!!!だった。これが映画館で上映されたとしても観る勇気は私にはありません。

まず多方面のジャンルの恐怖要素が全部ある。

  • 和製ホラーみたいなじわじわくる恐怖
  • 土着信仰、宗教系の不気味さ
  • パラノーマルアクティビティみたいなドキュメンタリー系のリアルさ(Found Footageというらしい)
  • パニック系の恐怖
  • グロい、不潔、虫あり、蓮コラ系あり
  • 人間怖い系の恐怖

これ、どれかひとつでも苦手な途端にアウトじゃないか。

虫もパニック系も無理だったけど、とにかく全体的にジメジメしていて不潔だった。なんだろう、洋画の綺麗なグロとは違うリアルな不潔感。食事中にうっかりフラッシュバックしてちょっと吐きそうになった。

でも土着信仰系のホラーが好きな人にはきっと堪らない。私も2chのコトリバコなどが好きなので、儀式の意味やモデルとなった神様に関する考察を読むのが面白かった。

なにより構成が凄くてちょっと感動した。ちゃんと伏線も回収されるんだけど、スッキリするどころか余計怖くなる。そして最後の仕掛けが半端ない。ホラー慣れしていない誰かにぜひ観てもらって感想を聞きたい。その人が夜眠れなくなっても責任は取れないけど…私ですら、夜中の物音が少し怖くなったのだ。ホッホーシアンイーシーセンウーマ

こんなにおすすめしたところで大体の人は観ないだろうから、観た気になれるあらすじをまとめようと思う。(どれだけ観て欲しいんだ)

尚、なるべくわかりやすくするために時系列を組み直して詳細は省いている。

あらすじ※ネタバレあり※ 

はじまり

主人公はリー・ルオナンという女性。冒頭、彼女が部屋でひとり動画を配信し、視聴者に語りかける場面から始まる。

「私は6年前、恐ろしいタブーを破った」。その呪いによって周りの人が次々死んでしまう。そして娘にも降りかかった呪いを解くために視聴者に協力してほしいと、祈りの呪文と符号を伝える。ここから主人公が録画した数々の記録映像に移っていく。

娘との暮らし

まずは数週間前にさかのぼり、主人公が5歳の娘を引き取る場面。6年前の事件以来、主人公は精神科にかかっており、養育力に欠けるとして娘は里子に出されていた。

今回ようやく娘と一緒に暮らせることになり、嬉しそうな主人公。でも初日の夜からさっそく窓ガラスが急に割れたり怪奇現象が起き続ける。

娘は「悪者がいる」と天井を見上げて叫び出し情緒不安定に。あといたるところで芋虫が大量発生。

台湾の家って日本と雰囲気が似てるもんだから、普通の日常が脅かされる感じが怖い。

6年前のタブー

いったい、6年前に何があったのか。

主人公は恋人とその弟の3人でオカルト系動画配信をやっており、ネタ集めのために恋人の一族が住む集落に向かっていた。その時の録画映像が流れはじめる。

一族は大黒仏母という邪神を信仰していた。3人は、10年に一度の大黒仏母に名前を捧げる儀式に参加することになる。実はその時、主人公はすでに娘を妊娠していた。一族のオババにはそれがバレており、3人だけでなくお腹にいる娘の名前も捧げさせられる。

その後おとなしく部屋にいればよかったものを、3人は抜け出して立ち入り禁止の地下道を荒らしてしまう。これが犯したタブーだった。

地下道には道中にたくさんの鏡と子供の仏像が置かれ、一番奥には大黒仏母の仏像があった。奥まで入った恋人は気が狂って供物の髪の毛を食べながら死に、弟は口の中いっぱいに歯が生えて「なにも聞くな」と叫びながら自殺。(この場面が怖すぎた)

地下道の入り口にとどまった主人公は奇跡的に命拾いをし、流産しかけるも無事に娘を産んですぐ里子に出したのだった。

ちなみに恋人の弟が地下道で回していたビデオカメラは主人公が持ち帰ったのだが、観た人が次々と死んでいくので屋上の部屋に仏像と共に安置していた。

娘との暮らし(呪いの進行)

戻って主人公と娘の暮らしの場面。主人公が目を離したすきに、娘が取り憑かれるようにしてその屋上の部屋に入り込んでしまう。呪文を叫びながらビデオカメラを再生する娘を必死でやめさせるが、呪いのせいで半身不随になる娘…(ここも怖すぎて薄目)

どんどん呪いが進行していく。

娘を助けるために主人公がお寺に連れていく場面がある。ここで、7日間なにも食べさせるな!と念を押されたのに、熱が出た娘に食べさせてしまうし、自力で点滴を打っちゃう主人公。とにかくやったらあかんことを漏れなくやらかすのなんでなん。(呪いのせいで娘や主人公の体内には芋虫がいるらしく、断食はそいつらに栄養を与えないためだったらしい)

娘の容体はさらに悪化。全身ただれるわ、穴ぼこだらけになるわで集中治療室に入る。医者からいつどうなってもおかしくないと告げられた主人公は覚悟を決める。

最後の手段

娘を救うために、主人公が向かったのはあの地下道。大黒仏母の仏像の前に辿り着くとPCを繋ぎ、冒頭と同じように祈りの符号と呪文を思い浮かべてほしいと視聴者に問いかける。でも

「ごめんなさい、私はひとつ嘘をついた」

と言い、ある動画が映し出される。

それは主人公が雲南省の高僧を訪れる映像だった。大黒仏母の真相を解くために話を聞きにいったのだ。そこでわかったのは、祈りの呪文の意味が「自らの名前を捧げ共に呪いを受ける」だということ。

呪いのことを知れば知るほど、呪いの力を受けるということ。集落は代々、大黒仏母の呪いの力を外に漏らさずに弱めるための儀式をしていたこと。

つまり私たち視聴者は主人公から見せられた呪文と符号により、自ら呪いを受けていたということになる。より多くの人が呪いを受けることで、娘にかかる呪いを分散することができるからだ。

しかも動画に映っていた主人公は妊婦。ということは6年前の時点ですでに色々知っていたのだ。じゃあみんなが呪いを受けると知りながら警察や里親、自分の両親にまで地下道の話をしていたのか?娘の呪いを薄めるために?恐ろしすぎる。

私たちが混乱するなか、場面は地下道に戻る。主人公が目隠しをつけ、大黒仏母にカメラを向ける。決して見てはいけない、呪いの根源とされる大黒仏母の顔。そこにかかった布をめくり、映っていたのは…

気になる人はぜひ作品を観てほしい。キモかった。

視聴者が引きずり出される

リングのビデオテープじゃないが、拡散しなければいけない呪いはいつだって「明日は我が身かも?」とヒヤヒヤする。自分ごととして捉える恐怖が一番怖い。

でも今回はそれより直接的かつ大々的で、なるほどこれが今の時代かと感動した。しかも呪いの呪文を唱えさせるなんて。ホラーが苦手な人には辛い。

土着信仰ってなんで怖いんだろう

大黒仏母は、鬼子母神や大黒天がモデルではないかと言われている。鬼子母神は自分の子を育てるために人間の子を食べていた。まさに我が子のためなら何でも犠牲にする象徴。大黒天はインドの破壊神シヴァ神(カーリーマーラ)が由来で、大黒仏母のビジュアルと近い。

観ただけではわからないことも、解説を読むにつれて点と点が繋がり、めちゃくちゃ面白かった。

特に主人公が最後に地下道で取った行動は、意味を知ると背筋が凍った。観ていない人にもわかりやい解説があるのでぜひみてほしい。

他にも、本能的に不気味な要素がたくさんあり、集落の場面になるたびに気が滅入った。唱えるときの裏拍手みたいな手の組み方すら怖い。大黒仏母の像なんて、よくここまで禍々しさを表現したものだ。

やはり身近にある神道仏教の文化に近い要素だからなんだと思う。台湾、もしかしたら日本の秘境にもこんな土着信仰があるかもしれない。そう思うと、映画の呪いよりも断然怖い。

こうしてストレス発散どころかストレス度が上がる映画を観てしまったけど、面白かった。でももう観たくない。この後は激辛の麻婆豆腐を食べました。

夏のニオイ対策

お題「これ買いました」

この頃、怒涛のように気温と湿度が上がっている。暑い。暑すぎる。

夏は好きだが悩ましい季節でもある。なぜなら一年で最もニオイに苦しめられる時期だからだ。

どうやら私は人一倍鼻が利くらしく、少しでも不快な臭いが漂っているとすぐ気づいてしまう。きつい香水やトイレの芳香剤も苦手だ。

そのくせ私は昔から超汗っかきなので、自分自身の体臭に悩み続けていた。自分のニオイに気持ち悪くなるのだ。スメハラという言葉にも本気で笑えない。

最近、本当に深刻になってきたのでこれはヤバいと対策に取り組んだ。色々試した結果、今年の夏はこの三種の神器で乗り切りたい。

1.クリニークのデオドラント(税込¥2,420)

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これはワキ汗・ニオイを抑える制汗剤。ワキの制汗剤は、あの有名なソフトストーンを何年も愛用していた。それこそ365日欠かさず塗っていた。

……が!!!!最近気づいたのである。

ニオイが防げてない。

昼になったらもうにおう。しかもそれは最近の話。汗の量が増えたのか、加齢でニオイがきつくなったのか?いずれにしても辛い現実…ソフトストーンのパッケージには「朝から夜までワキ汗ニオイを強力ガード」と書いているのに、私の場合は昼までしかニオイが防げず、汗にいたっては塗ったそばから流れている。

さすがに我慢ならず、高いけどしょうがなくクリニークに乗り換えた。

するとかなり軽減された。ただ、ゼロではない。ソフトストーンがニオイガード率5割としたら、クリニークは8割くらい。夜になると2割くらいのニオイが顔を出す。

ニオイが完璧になくなるわけではないが、これのおかげで私の気持ちはだいぶ楽になった。周りにクサイと思われなければそれで十分だ。

アンティ パースパイラント デオドラント ロールオン N | クリニーク公式 オンラインショップ

2.トゥカバー2P(五本指)(¥590)

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ワキと同じくらい、私は足のニオイにも悩まされた。

自粛期間中にスニーカー生活になったことで、足のニオイ問題は解決するかと思われた。でも出社が増えて通気性の悪いパンプスを履くようになった瞬間、復活してしまったのだ。

最近は飲み会の度に「座敷じゃありませんように」と唱えるも虚しく、座敷の確率が多すぎて死亡するの繰り返しである。

そこで探し回った結果、このGUのトゥカバーを履き、その上から通常のストッキングを履くのがベストだと悟った。

一番汗をかく足指と付け根を徹底的に包んで汗を吸収してくれ、においにくい気がする。それに高くて破れやすい五本指ストッキングではなく、普通の安いストッキングを使えるのが嬉しい。

ちょっとイヤなのは、靴を脱ぐと目立つので「ナニコレ?」と聞かれそうなこと。これが何か、誰も聞いてくれるなよ。

尚、今見たら在庫がなくなってました。残念。

GU公式 | トゥカバー2P(五本指) | ファッション通販サイト

3.グランズレメディ(税込¥1,480)

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これは靴の臭い対策のアイテム。

ケースの中には白い粉が入っている。これを靴の中にふりかけ、そのまま一日履くと粉が靴に浸透して消えるというものである。

しばらくすると効果が薄れてしまうが、定期的にふりかければかなり消臭効果が強い。

ただ、粉をふりかけたら浸透するまで絶対靴を脱げない点がネックである。一度粉をかけすぎて浸透しきらず、靴を脱いだらブフォッ!!と粉が舞い上がったことがあったのでぜひ気をつけてほしい。

【楽天市場】Gran's Remedy グランズレメディ 50g オリジナル グランズ 消臭パウダー 靴用消臭 普通郵便のみ送料無料:ハルカストア

あまりにも毎日ニオイに悩んでいたので、3アイテムの紹介とは思えない長文になってしまった。はい、ほとんどただの愚痴です。 

でも今、良い香り漂うレディへの道の出発点にようやく立てた気がしている(前進はしていない)。今年の夏は、この三種の神器を駆使して乗り越えたい。

マジメからの脱却

「真面目だね」と言われるのがコンプレックスだ。

だが私は昔からよくそう言われてきた。そんな私にとって、マジメからの脱却は人生のテーマといっても過言ではない。

小学生の私はいかにもガリ勉学級委員長タイプ。その頃は違和感を抱くことなく過ごしてきた。

でも中学生になると、浮いてしまうのではないかと不安になり始めた。マジメでおとなしいイメージを少しでも払拭するために、友だちと話すときは面白いことを言おうといつも必死だった。でも慣れていないので時々、おもしろくもなければただ誰かを傷つけるだけの言葉を発してしまい、あとで後悔することが多々あった。

高校に入ってからもマジメオーラは消せない。部活のメンバーからの第一印象は「最初は絶対仲良くなれないと思った」。でもどうやら私はマジメすぎて変なところがあるらしい。そんな一面が見つかったことで私はいじられキャラとなり、ようやくみんなと馴染むことができた。一歩間違えたら、友だちがいない高校生活を送っていた。

大学では色んな個性が受け入れられるとともに真の真面目で凄い人たちがごろごろいたので私ごときがマジメと言われることはなかった。でも就職すれば元通り。酒好きやジャニオタなどマジメオーラ以外の個性を押し出そうとしてるが、あまり変わっていない。

そんなマジメ(つまり面白みがない)という言葉にずっと複雑な思いを抱えてきた。

会社に入ると、悩みの種類は少し変わってきた。マジメオーラによって仕事への期待値が勝手に上がってしまうのだ。

大分のギャル大臣は「ガリ勉が100点取らなかったら残念がられるけど、ギャルが90点取ったら凄いと褒められがち」と言っていた。まさにそういうことだ。

なにより問題なのは、私がマジメなのはあくまでオーラだけで、中身はそれほどマジメではないということである。

もちろん私だって仕事をやらないわけではない。でもみんなの期待に応え超えるほどデキるわけではないのだ。いい加減なところはたくさんあるし、頭も切れない。私もギャルになればよかったのかもしれない。

そもそも褒めるときに「真面目」と言うときって、どこか思考停止しているような気がするのは私だけだろうか?

真面目の意味を調べると、こう書かれていた。

1 うそやいいかげんなところがなく、真剣であること。本気であること。また、そのさま。「―な顔」「―に話をする」
2 真心のあること。誠実であること。また、そのさま。「―な人柄」「―に暮らす」

個人的な解釈として真面目は「何事にも愚直に真剣に、規律を守って正確に取り組む姿勢」のニュアンスでよく使われるんじゃないかと思う。

辞書の意味にしても私の解釈にしても思うのは、これって人として最低限やるべきことなのでは?多くの人は達成していることなのではないか?ということ。

わざわざそれを褒めるということは、他に特出すべき点がないのでは、と感じてしまう。

なんなら、この世の中は時にずる賢さが必要だ。規律を守るというより、その中で上手く立ち回ること。愚直にやるというより、ある程度手を抜いてかける労力にメリハリをつけること。

そういうことができない不器用さを、「真面目だね」という言葉が揶揄しているように感じるときもある。そこまで考えてしまうのは流石にひねくれすぎだろうか?

でももし、相手が心から褒めているつもりで「真面目だね」と言ってくれたとしても、それ以外の言葉が似合うような人間になりたいという憧れは捨てられない。

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理想の華金

先週の金曜日、仕事が早く終わって私は途方に暮れていた。

家に帰っても今日はひとり。相方は飲み会に行っている。かといって社内を見渡してもみんな忙しそう。たまたま私の仕事に空白が生まれただけとはわかっていても、こういう夜は自分ひとりを置いて世界が回っている気がして寂しい。

いや、こんなときこそ寂しさをエンジンに冒険しよう。そう思い立ち、常連になれそうな店を探しに行くことにした。

選んだのは、前から気になっていたビストロっぽいお店。ビルの2階にこぢんまりとあるので、ドアを開けるまで様子がわからずドキドキする。

でも入ってみると、ギンガムチェックのランチョンマットが可愛いアットホームな空気。ホッとした。店員さんにひとりだと言うと、1つだけ空いていたカウンターの席に案内された。

「両隣りもおひとりさまですよ」とマスターが言う。どちらも女性の方だ。

左の人はイヤフォンを付けて激しくうなずいており、テレビ電話をしているようだ。右の人は静かにワインを飲んでいる。

おひとりさま同士で並べられたということは、隣の人とお喋りするチャンスではないか?ただ、切り出しかたがわからない。まずは右の人に「メニュー借りていいですか?」と聞いてみた。

すると右の方が私に話しかけてくれて、気づいたら3人でお喋りしていた。(何故)

私が初めて、たった一人で隣のお客さんとお喋りできた記念すべき瞬間である。めでたい。

二人に色々聞いてみた。どちらもこのお店の常連さんだけど、お互いは初めましてとのこと。左の人が聴いていたのは、実は小田切ヒロのインスタライブだった。相当なファンらしい。お酒をよく飲み、マスターにかなり親しげに絡むその人には、我が道を行く!というエネルギーを感じた。3センチくらいしかない超眉上の前髪がすごく似合っていて、50代と聞いてびっくりした。

右の人もほぼ同い年。その人は可憐な雰囲気をまとっており、末っ子と聞いて妙に納得した。話を聞いていても、守ってあげなきゃ!と思わせられる。私が言うのも変だけど。でも営業だったときがあり、数年前まで東京にいたその人とは共通の話題も多くて盛り上がった。

ときどき話に参加するマスターは笑顔がチャーミングなおじちゃんだし、歳の離れた奥さまはとても綺麗だ。なんだかとても楽しくなって、軽く1杯だけ呑むはずだったのにワインを3杯呑んでしまった。

常連になれそうなお店を探し、あわよくば誰かと思いきり喋れないかと来てみたが、あまりにも理想的な空間に行き着いたことに私は感動していた。お店を出ても、胸のあたりがぽかぽかしている。最高に素敵な華金だった。

こっちに来てから、お店で隣の人と話す文化がもっと身近になったと感じる。でも通常運転の私だったら、ここまで来れてなかったかもしれない。普段の人見知りな私だったら、隣の人ともマスターともこんなに沢山話そうと思わなかったかも。

ちょっぴり寂しい気持ちが、私をここまで連れてきてくれた。そう思うと、寂しさも悪くない。

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私ってごはんを美味しくなさそうに撮る天才だと思う。本当はとても美味しかったです。