しばらく関東に住んでいたが、いざ離れるとなると名残惜しくなるものである。行きたい場所もそうだが、なによりなかなか会えなくなる人が沢山いる。これは2ヶ月かけて少しずつ行った日記。
迎賓館赤坂離宮に行く
迎賓館に行く予定はなかったが、その日会った大学時代のゼミメンバーのひとりが提案してくれて、行ってみたらとても良かった。
中に入ると、真っ白な壁。ぴかぴかに磨き上げられた金の金具に真紅の絨毯。塵ひとつ落ちていない、完璧に美しい廊下が続く。
説明員のおじちゃんとおばちゃんは少し話が長かったが、壁のモチーフに隠された意味を教えてくれるのは楽しい。
皇太子が住み、数々の歴史的な会合が行われてきた空間はミーハー心をくすぐられた。
それに、見たことない紫の大理石やら、上品な七宝焼やら、重厚感のあるシャンデリアやら、隅から隅まで贅沢を極めたものを見るのって気持ちが良い。ぜひ一度行ってみてほしい。
ゼミの同期とは、就職してからも色んなところに行った。いつも修学旅行みたいなプランなのが、他のコミュニティになくて好きだ。大人数でこういう迎賓館とか神社に行く友達って他にいない。みんならしい休日の過ごし方だった。
フルーツパーラーでパフェを食べる
私は無類のフルーツ好きで、フルーツパーラーも大好きである。
四谷三丁目にあるフクナガフルーツパーラーは、青果店の2階でひっそり営業していた。
新宿に行く前に寄ってみると、ラストオーダーの時間はすでに過ぎてしまっていた。でもマスターのおじちゃんが、パフェなら出せると言う。焦った私は、パッと目に入った期間限定のいちごパフェを頼んだ。
運ばれてきたパフェはこぢんまりとしていた。入っているのは苺と、苺のシャーベット、ホイップクリーム、バニラアイスだけ。素朴でさっぱりしていて、美味しい。これならいくらでも食べられそう。
私が頬張っていると、マスターが「急がなくていいからね」と言ってくれる。レジのお姉さんは私のコインケースを褒めてくれた。まるで初めてじゃないみたいに居心地がよかった。
新宿で会社の先輩達と会う
新人の頃から仲良くしてもらっていた、1つ上の会社の先輩二人とごはんを食べた。
支社が違うにもかかわらず、ずっと仲良くしてくれていた先輩。二人とも関西出身で、話しているだけで夫婦漫才のようにおもしろい。
一人はもう会社を辞めているけど、久しぶりに会っても元気にされていて良かった。なんと最後に餞別の品をくださった。嬉しい。
もう一人の先輩はベロンベロンに酔っ払いながら、後輩のなかでも私のことを一番身近に感じていたと語ってくれた。いやいや、そう思っていたのは私の方ですよ。
こうしたナナメ・ヨコの繋がりがひよっこの私を支えてくれた力だったと実感する。会社の飲み会なんてクソクラエって思ってたけど、それがなければ二人の先輩とこんな風に飲んでなかった。
先輩方がそれぞれ幸せな人生を送れますように。
ポーラ美術館に行く
関東を離れる前に行きたい場所、で真っ先に浮かんだのがポーラ美術館だった。
一緒に行った友人は大学からの仲だ。上京して社会人になってからはいつしか美術館兼登山(?)友達となった。
この数年で、いくつの作品を一緒に観たんだろう?そのひとつに刻まれた、ポーラ美術館の作品たち。
美術館には一度違う人と行ったこともあったけど、なんか違った。
私のしょーもない感想を真剣に聞いてくれて、時々ちょっこしアカデミックな話をしてみたりして、自分と違う友人の感性に新たな発見をして。そんな楽しみを教えてくれた大切な友人だ。最後に私のワガママを聞いてくれてありがとう。
茶亭羽當に行く
あるとき渋谷をブラブラしていたら見つけた喫茶店。いつも混んでいて入れなかったが、先日念願叶って、ジャニ友とお茶をした。
店内は珈琲の香りと、色んなモノで溢れている。古い掛け時計。花瓶に生けられた天井まで伸びる木。巨大な中華風の飾り皿。そしてカウンター越しの壁一面に飾られている、色とりどりのコーヒーカップ。
そこから選ばれたカップに、コーヒーが並々注がれてきた。一期一会のカップなんて素敵じゃないか。
母親のお友達の娘さんであるジャニ友とはもっぱら情報交換。幼い頃にはこんな関係になると思ってなかったから面白い。
次回に続きます。