先日、会社の先輩後輩とネットフリックスの話になり、実はめちゃくちゃ色んなコンテンツが眠っていることに3人で気づいた。そしてまた「観ねば!!」という思いに駆られ、先週は狂ったように色々観てしまった。
そしたら、ストーリーが脳内で渋滞して消化しきれず…コンテンツを大量摂取するのはやめた方がいいんだなと反省しました。(そして先輩と後輩からおすすめしてもらった作品はまだ1作も観てないという薄情者)
そんな、私の脳内を爆発させた作品たちはこちらです。
- 『リング』映画 →怖い
- 『TENET』映画 →頭が疲れる
- 『タクシー運転手~約束は海を越えて~』映画 →感動する
- 『ハリソン・フォード 逃亡者』映画 →好き
- 『メドゥサ、鏡をごらん』小説 →不気味
- 『キーパーズ』ネトフリオリジナルドラマ →色々しんどい
チョイスのクセが強い。そして暗い。
しかも合間に、キラキラアイドルなキンプリの番組を観たり、精神が菩薩のような藤井風のYoutubeライブ配信を観るから混乱するのだ。あとモルカーも、高低差に耳キーンなったから合間はやめた方がいい。
この中で、特にやばかったのは『キーパーズ』だ。
キーパーズ | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
やばかったんだけど、観るに値する重量感だったのでぜひ紹介させてほしい。
ただの殺人事件じゃなかった
『キーパーズ』は2017年に出たネットフリックスオリジナルのドキュメンタリードラマ。未解決事件の真相を追う系のやつだ。1969年に米国ボルティモアで実際に起きた、カトリック教会修道女の殺害事件を取り上げている。
「二人の女性が立て続けに、殺された」。
それだけ聞けばよくみる殺人事件だよなぁ、と思ってたら全然違った。
調べていくと、事件の裏には聖職者による子どもへの性的虐待が絡んでいるらしい。一番しんどい展開だ。被害者が語るエピソードが、あまりにも気持ち悪くて残酷で吐きそうになるので、覚悟したほうがいい。
しかもその事実は未だ公になってない。なぜなら、カトリック教会がずっと隠蔽しているからである。さらに言えば、教会だけじゃない。警察や、州議会も加担してる、多分。ここが『キーパーズ』の肝だ。
取材したかぎり、被害を受けたと証言する人は100人以上。1994年には告発もしていた。なのに、不起訴。そして告発された聖職者は結局、有罪にもならず教会に居続けた。
殺人事件の犯人はわからないまま、闇に葬られている。
やっぱ人間が一番怖いよ
シンプルに、めちゃくちゃ怖くないか。
何が恐いって、2017年になっても教会や警察や州議会が隠し続けてるのが怖い。公開資料を請求しても送ってくれなかったり、警察が昔回収したはずの証拠になりえる物を「ない」と言うのだ。平然とウソをつくし。怪しいことだらけだ。
腐敗した組織風土が、今も存在してるのが怖い。
絶対、今もどこかで何かが起きてると思う。起きなくなったとしても、つい最近まであったに違いない。
そして被害者が声をあげても、大きな権力のもとに揉み消されるという現実。でもだからこそ、ネットフリックスという民間メディアがこの事件をコンテンツ化する意義は大きいと思う。
宗教の是非に疑問を感じてしまう
聖職者の性犯罪って、歴史に出てくるような昔の話なら見聞きしたものの、現代でこんなに根深いとは…とかなり衝撃だった。
でも世界を見渡せば、各国で告発されている問題らしい。自分の無知を恥じた。
日本人だとあまり馴染みのない、教会や神父。カトリックの家庭にとって生活の一部ともいえる近い存在は、神主さんやお坊さんとも違う気がする。子どもたちにとっては、学校と先生みたいなものかもしれない。
正しいと信じている人から危害を加えられるほど、恐いことはない。
こういうのを知ると、宗教ってなんなんだろうな…と思ってしまう。
宗教の力を悪用できる土壌があるのはいかがなものか?恋愛禁止とかも、本来のヒトの生態に抗うからどこか歪むんじゃないか?という思考にどうしても至る。ただもちろん、宗教もひとつの価値観として尊重すべきものだとは思うので、難しい。
というか宗教の是非以前に、まだまだ課題の多い性犯罪への正当な処置を、日本も含めて整備するべきだろう。いつか、全てが明らかになることを願いたい。
次こそは
『キーパーズ』は、エミー賞でドキュメンタリー&ノンフィクション特別番組部門の作品賞にもノミネートされたらしい。
ネットフリックスオリジナルのドキュメンタリーというジャンルは初めてだったけど、膨大な取材量で、すごく時間と手間かけてるのを感じられた。見応えがある良い作品やった、心が沈むけど。
次こそは、もうちょい明るい作品を選ぼう…
ただミッドサマーが気になってしゃーない。観たい。