腰が重いくせに、一度やると決めたことはすぐやりたくなるせっかちな人間、それが私である。
行きたいと思った場所には明日にでも行きたくなり、誰かを誘うことさえ待てずにひとりで行ってしまうときがある。欲しいと思ったものはネットですぐ買ってしまう。
土曜日は急にピアスをあけた。大学生の頃からずっとあけたかったのだが、怖くて実現できていなかった。でもこの前友達とピアスの話になり、なぜか「注射がいけるならピアスもいけるんちゃうか?」とふと思い立ったのだ。
こうなるともう止まらない。さっそく行きつけの皮膚科に行く。
お医者さんに「この位置にしか開けられませんがいいですか?」と言われてもオッケー。
ファーストピアスが少々ダサくてもオッケー。
なにしろ私は、一刻も早くピアスを開けたいのだ。
こうして数年間あけられなかったピアスは、3日であいた。
衝動
それにしても"思い立ったが吉日"を体現しているというのか、衝動に駆られるというのか。決心するやいなや急にスイッチが入るらしく、猪突猛進のごとく突き進んでしまう。
そんな性格もあってか、私は急な予定変更にとてもストレスを感じる。
お寿司を食べに行こうと約束していたのに当日になって急に「やっぱりパスタにしよう」と言われる、なんてことが受け入れがたい。
もともと行き先を決めていなかったならパスタでもいいのに、"お寿司"というゴールができた途端そこに真っ直ぐに進みたくなってしまう。言ってしまえばガンコ野郎なのである。
今日のランチの話ならそれでも良いかもしれないが、一度決めたことに拘りすぎるこの性格のせいで、いつか選択を見誤ってしまうんじゃないかと怖い。
スイッチが入った私は、何が何でも今すぐ目的を達成したくなる。それゆえに途中で「ん?」と違和感を感じても後戻りできなかったりするからだ。
仕事では時々「またやりかけた」と我に返るときがあるが、それでもこの癖はなかなか抜けない。
決めるまではあれこれ悩んで石橋叩いて割るくせに本当によくわからない性格だな、と自分でも思う。
ピアスの穴だって、勢いで変な位置にあけてしまうと取り返しがつかなくなる。ベストな選択は何なのか、都度考え直せるような柔軟性を持ちたい。
新しい景色
一方で、スイッチがないと私という人間はきっと永遠に動かず、また布団にこもる日々を送ってしまうだろう。だから、たまに生まれるこの衝動を大切にしてもいる。
衝動に身を任せることで、新しい景色を見ることができる。
私の耳で小さく光るピアスは、とっくに大人の私を、大人になったような背伸びした気分にしてくれた。ファーストピアスが外れたら、お洒落の幅も広がるだろう。楽しみだ。