日曜日のなのはな

北極を探しにいく・日曜日更新+気まぐれ

"胸糞映画"を観てしまう習性

実はNetflixに入会しているのだけど、あまりドラマや映画を見ない。特にドラマみたいな、エピソードが多い作品だとなかなか重い腰が上がらない。ドラマをたくさん観ている人は、おそらく没入力があるのだと思う。凄い。

それにしても、最近の私はあまりに観なさすぎだ。

このままでは利用料のムダになる!と急に思い立ち、なぜか平日の夜に映画を観た。しかも2本。

ただ、ここで私が選んだ作品は相当趣味が悪かった。

セブン - 作品 - Yahoo!映画

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冷たい熱帯魚 - 作品 - Yahoo!映画

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我ながら、人格が疑われるチョイスだと思う。ここに投稿するのも躊躇うほどの。

映画のあらすじ

ひとことでいうと、どちらも猟奇殺人系だ。そして精神衛生に良くなかった。とても。

セブン

退職をひかえるベテラン刑事のサマセット(モーガン・フリーマン)と若手刑事のミルズ(ブラッド・ピット)が、7つの大罪に沿って繰り返される連続猟奇殺人の真相を追う話。

冷たい熱帯魚

1993年に実際に起きた「埼玉愛犬家連続殺人事件」がモデル。熱帯魚店を営む気の弱い主人公・社本が、あるきっかけで大型熱帯魚店を営む村田夫婦と知り合う。ただこの村田夫婦、実は裏でとんでもない猟奇殺人を繰り返しており、社本は巻き込まれる羽目になる。

なぜ"胸糞映画"を観てしまうのか

この一晩でどれだけ血を観たか…翌日、仕事でPCを叩いていると、頭の中で血だらけのバラバラ死体が時折フラッシュバックした。グロい映像は、耐性こそついたものの好きにはなれない。

それでも観てしまったのは、グロさとは別に、これらの作品が後味の悪い結末で有名な"胸糞映画"といわれていたからだ。後味が悪いと言われると、どうも私は恐いものみたさの好奇心で観てしまう。

どれだけ不幸な結末なのか?

その時、人は何を思い、どう行動するのか?

もし私だったらどうするだろう?

そんな好奇心に一番心を突き動かされ、恋愛映画でもヒューマンドラマでもなく"胸糞映画"を観てしまう私は、やっぱり人格の何かが欠落しているのだろうか。

人は脆い、私も脆い

"胸糞映画"を観たとて、得られるものは正直何もない。でもいつも痛感するのは、人間の脆さだ。

映画の中で起きるバッドエンドは大抵、主人公がトリガーを引く。理性的で意志の強い聖人なら、起きなかったはずのことだ。でもそんな聖人、現実にはなかなかいないと思う。同じく聖人でない私も、トリガーを引いてしまいそうだ。

そのとき、過ちをおかさずに踏ん張れるか?

想像の翼をそこまで広げたところで痛感する。普段が大丈夫でも、私が脆く崩れる可能性はいくらでもあること。

これを自覚するのとしないのとでは、物事に対する見方はちょっとだけ変わるのかもしれない。そんなことを思ったりする。

一番タチが悪い

普段の私は、電車で酔っ払いに遭遇するだけでもビビっているのに、よくこんな作品を観れたものだ。自分で自分がよくわからないと感じる瞬間である。

映像を見るだけなら、何も起きないからビビらずに観れるのだ。そして"胸糞映画"は、普段の生活と無縁だからこそ、好奇心を抱いてしまうのだろう。結局のところ私が、平和ボケした一番タチの悪い人間なのだ。