日曜日のなのはな

北極を探しにいく・日曜日更新+気まぐれ

後輩という存在

最近、職場で後輩と関わることが急に増えた。よくある"若手の小集団活動"みたいな場でも、気づけば私が最年長になってしまった。

入社以来、社内の打合せではたいてい最年少。エレベーターでボタン側に立つ癖は抜けない。よく遊ぶ会社の人も先輩ばかりだったので、久しぶりに自分が先輩の立場になって少し戸惑っている。

もちろん私も、高校や大学で先輩・後輩の関係はある程度経験してきた。後輩と遊ぶこともあった。でも私はあまり面倒見がいいタイプでもなく、積極的に後輩にお節介を焼きにいくようなことをした覚えがない。良い先輩だったかは甚だ疑問だ。

本音を言うと、私は先輩よりも後輩に緊張してしまうのだ(これまでのブログを読んできた人なら、私が人見知りなのはもうご存じだろう)。あまり話したことない後輩とエレベーターで一緒になった日には変な汗が吹き出てくるし、相変わらずボタン側に立って「お先にどうぞ」なんて言ってしまう。

そんなにも緊張するのは、先輩である自分が会話のリードを取らなければいけない、という妙なプレッシャーを勝手に感じてしまうからだと思う。口数がそれほど多くない私にとって、このプレッシャーは辛い。だから気さくに話しかけてくれる後輩は貴重だし、めちゃくちゃ嬉しい。

緊張してしまうもうひとつの理由は、自分が後輩に強制していないか?という不安である。例えば飲み会に誘うとき。「本当は行きたくないのに断りづらい」と後輩が感じていたら…なんてことを考えてしまう。だから私が後輩を誘うときは、"参加が厳しければ無理しなくていいからね"という枕詞をおきがちだ。

私がなにか間違ったことをしたとき、先輩なら指摘してくれるだろう。でも後輩は、間違ってると思っても言わない可能性がある。そうやって知らない間に、自分が裸の王様になっているんじゃないかと怖いのだ(後輩だって素直に接してくれているかもしれないのに)。

そんなことばかり考えてしまい、後輩という存在から少しずつ遠ざかっていた私。学生時代は私がそんな感じでも、他の人が後輩の面倒を見る役割を担ってくれたから問題なかった。でも会社で再び先輩の立場に立ったとき、そのスタンスが少し変わった。

今の職場で私は先輩に恵まれ、新人の頃から大いに支えられてきた。他愛もない話から仕事の悩みまで、なんでも話せる先輩が近くにいることはとても心強かった。先輩の存在は、後輩の働きやすさに直結すると実感した。

特に女性の先輩がまだまだ少ないこの会社で、私の存在も後輩たちの拠り所になれるのかもしれない。先輩に支えてもらった分、私も後輩を支えていけたらと思う。

そのために、まずは接する機会を増やすことから。ほんの少しずつではあるけど、自分から後輩とリモート飲みを企画したり、ごはんに行ったり、職場で話しかけてみたり。最初の壁を超えれば、仲良くなれて純粋に楽しい。

これからも最初は変な汗が出るかもしれないけど、今度は後輩から遠ざからずに「話しやすい先輩」になることから目指したい。それで後輩たちが少しでも肩の荷をおろして働けるなら嬉しい。

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私の好きな絵画10選

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選

私が初めて美術展というものに行ったのは、小学校2年のときだったと思う。その日は音楽会の代休で、母と二人でデパートの上層階で開催していた山下清展を観にいった。オシャレなお店でランチを食べたのも、少し大人になったような気がして嬉しかったのを覚えている。

大人になってからは、美術史を少し齧って美術館に行ってみたりもした。画家の生き様や描かれた時代の世相を知ると、絵に隠れた物語を知ることができてもっと楽しい。でも結局、一番根底にあるのは自分が「何となく惹かれる」「何となく好き」という感情だ。それでもいいと思う。

そんな、私が好きな画家の「何となく惹かれる」作品10選を紹介したい。

シャガールエッフェル塔の若い夫婦』

シャガールは20世紀のロシア出身のユダヤ人画家。パリで活動した。第二次世界大戦時にナチスによるユダヤ人迫害から逃れるなど、暗く過酷な時代を生きた人だ。でも一方で妻ベラを一途に愛し、愛や結婚をテーマにした作品をたくさん残している。

私が昔から好きな『エッフェル塔の若い夫婦』もそんな作品のひとつだ。中学で美術部に所属していたとき、この絵を模写したことがあるが、顧問の先生から「この絵は赤が多く見えるけど、実はシャガールに特徴的な愁いをおびた青が利いている。それを表現しないといけない」とアドバイスをもらい、めちゃくちゃ苦戦した記憶がある。でもその青こそが、シャガールの生きた時代の悲しみを反映しているのかもしれない。

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クリムト『女の三世代』

19世紀末、オーストリア・ウィーンで活躍したクリムトは知っている人も多いだろう。けっこう活動的な人で、保守的な美術家組合に反抗し、ウィーン分離派という団体を結成したりした。愛や性、生死をテーマに描いたクリムトの作品は女性の絵が多いが、クリムトが女好きなことを知れば頷ける(多い時で15人くらいの女性が家に居候してたらしい)。

でもクリムトが描く女性たちはみんな美しくて艶やかで、自信に溢れているから好きだ。そのなかで『女の三世代』は女性の美しさとともに”老い”も生々しく描かれている。少しギョッとするけど、老いていく姿もまた美しいものとして肯定されているような感じがする。

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ベラスケス『バリェーカスの少年』

ベラスケスの『バリェーカスの少年』をみたとき思ったのは「この人めちゃくちゃ絵上手い」だった(当たり前だが)。その展覧会では同じ時代の芸術家たちの絵画が並んでいたのだけど、ベラスケスの描く人物画は群を抜いていた。まるで生きているような表情だったからだ。

17世紀のスペインで宮廷画家として活躍したベラスケス。宮廷画は、表情よりも王家の威厳を表現することが一番重視されていたんじゃないかと思う。実際、人形みたいな顔の絵が多い。そんな時代に人間味ある生き生きとした表情を描いたベラスケスは、時代の先をいっていたのだと感銘を受けた。

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ボナール『逆光の中の裸婦』

ボナールは19世紀~20世紀のフランスの画家だ。この人もまた愛妻家で、妻マルトの絵を多く描いた。マルトはお風呂好きで、一日の多くの時間をお風呂で過ごしていたらしい。そんな入浴中のマルトや普段の食卓をカラフルに描くボナールの作品は、見ていると気持ちが明るくなる。日常が愛おしくなる。

ボナールの展覧会には一度行ったことがあるが『逆光の中の裸婦』は展示されていなかった。入浴後なのか、マルトが部屋の中で日の光を浴びているかのような絵だ。部屋を満たす黄金色の光が美しくて、陰影がドラマチックなこの絵の実物をみてみたい。いつか来日してくれることを願っている。

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藤田嗣治『カフェ』

日本に生まれた藤田嗣治は、レオナール・ツグハル・フジタとしてパリで活躍した20世紀の画家だ。女性と猫をたくさん描き、特に女性の「乳白色の肌」は独特の質感があって美しい。

下積み生活を経て、愛称がつくぐらいパリの大人気画家となった藤田嗣治。でも第二次世界大戦をきっかけに余儀なく日本へ帰国すると陸軍美術協会理事長に任命され、戦争画を製作することになる。それが原因で終戦後には「戦争協力者」と批判されることもあり、晩年はパリへ帰化し、生涯を終えた。

そんな藤田嗣治の印象的な作品は『カフェ』だ。終戦後、日本からパリへ向かう途中に滞在したニューヨークで描いたこの作品。書き損じた手紙の前で物思いに耽る女性の姿には、パリへの郷愁の念が投影されているという。激動の時代に翻弄された藤田嗣治の心情をおもうと、胸に込み上げるものがある。

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吉田博『渓流』

ある日Twitterを眺めていたら、ふと流れてきた一枚の絵に目を奪われた。それが吉田博の『渓流』だった。今にも轟音が聞こえてきそうな、滝の波しぶきを一面に描いたこの作品は、版画と思えない緻密さだ。実物をみると想像を超える大きさで、二度驚いた。このサイズにこの細かさで木版を掘ったのかと考えると、気が遠くなる。

吉田博は明治~昭和の時代の代表的な木版画家。山登りや海外旅行が大好きで、アメリカの山々を描いた『米国』シリーズ、『欧州』シリーズ、さらには『印度と東南アジア』シリーズもある。どれもため息の出るような美しい風景で、心が浄化される。印刷したら褪せてしまう、鮮やかな色彩をぜひ実物で堪能してほしい。

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ホドラー『ミューレンからみたユングフラウ山』

ホドラーは、クリムトと並んで世紀末芸術の巨匠といわれたスイスの画家だ。幼い頃に家族を次々と結核で亡くし、貧困にも苦しんだホドラーの作品は、”死”や”夜”をテーマにしたものが多い。エジプト美術にも影響を受けたようで、女性が一列に並んで立っている儀式っぽい絵も多い。

でもホドラーで私が好きなのは、風景画だ。『ミューレンからみたユングフラウ山』は力強い筆致で描かれた山肌や、ハッとするような真っ青の空がとてもいい。この鮮やかさはどこから来たんだろうと思ったら、スペインで身に着けたものだと知って納得した。緻密な吉田博の版画とはまた違う、壮大な自然を感じられる魅力がある。

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マネ『フォリー=ベルジェールのバー』

モネと名前が似ているマネは、19世紀のフランスで活躍した印象派の画家だ。でも作風はモネと全然違う。黒を重要な色としてたくさん使っているのが特徴で、ピリッと効いたその黒が個人的にはすごくオシャレだと思う。

明らかに娼婦を描いている『草上の昼食』や『オランピア』で物議を醸したマネはアバンギャルドな人の印象があるけど、社会の有り様をリアルに描きたかっただけなのかもしれない。遺作となった『フォリー=ベルジェールのバー』も、貧困層から富裕層まで様々な階級が集まるミュージックホールを描くことで、当時のパリの縮図を表わした。

実は娼婦でもあったバーメイドの孤独な表情に視線を集中させる仕掛けや、左上に足だけが描かれてい理由など、調べるほど奥深い作品だと思う。

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ホッパー『ナイトホークス』

まだ実際に作品を観たことはないが、いつか観たい画家のひとりがホッパーだ。20世紀のアメリカの画家で、40歳を超えるまで画家としての成果がなかなか実らず、長く苦労した人である。

ホッパーが描いたのは、1900年代半ばのアメリカの日常風景だ。人々の生活が発展していく一方で、どこか孤独感の漂う都会や郊外の街角を描いた作品には、なぜか痛いほどの懐かしさを感じる。私が生まれた故郷とは時代も場所も違うのに、なぜだろう。代表作の『ナイトホークス』をみてそんな懐かしさを感じるのは、私だけじゃないと思う。

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東山魁夷山雲濤声』

最後は昭和を代表する日本画家、東山魁夷を紹介したい。文化勲章を受賞したこともあり、輝かしい経歴をもつ東山魁夷は日本の風景画を多く描いた。

山や森を描く東山魁夷のタッチは独特で、美しい群青は「静謐」という言葉がぴったりだと思う。私が一番好きなのは、唐招提寺の障壁画『山雲濤声』だ。白波が立っては岩にぶつかる日本海と、霧が立ち込める山並みを描いた作品。鑑真が見ることのできなかった日本の風景を描いたという。

湿度さえ感じられる山の風景は、西洋画にない安心感というか、肌に合う感覚があってとても落ち着く。

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以上、私の好きな画家の作品10選でした。

私が、美術館にきて良かったと一番実感する瞬間がある。お土産店に入ったときだ。印刷されたポストカードや図録をみると、本物の輝きはなににも代えられない、といつも思う。

世界にはまだまだ見たことのない、知らない作品がたくさんある。どこでも自由に飛び回れる時がまた来たら観にいきたい。

長くなったけど最後に江國香織さんが「好きな絵画」について語っている本を紹介する。ひとつひとつの作品に対する豊かな感性と表現力が素晴らしくて、大好きな1冊だ。美術が好きな人にはぜひ読んでほしい。

www.amazon.co.jp

私は牡蠣が食べたい

私と牡蠣の歴史は浅い。

というのも、私の母親は牡蠣を食べると調子が悪くなってしまいがちで(今もそうかはわからないが)、私もその体質を受け継いでるのではないか…とビビっていた。その結果、大人になってからも加熱した牡蠣すら食べたことがなかった。

でも食べることは大好きな私だ。白くプリプリとした牡蠣は見るからに美味しそうで、「どんな味だろう」といつも想像を膨らませていた。

そして一昨年の秋、相方にそそのかされてついに人生初の牡蠣を食したのである。

自宅から徒歩2分の居酒屋で、牡蠣の天ぷらをいただいた。まさに、磯味のクリーム。これは食べなきゃ人生損してると思った。めちゃくちゃ美味しかった。

食べたあとになって、母親みたいに体調が悪くなったらどうしよう…と不安に駆られたが、結果は何事もなかった。それ以来、カキフライや牡蠣のオイル漬けといった加熱済の牡蠣はよく食べている。だが生牡蠣はいまだにチャレンジできない。あれも食べたら絶対に美味しいはずなのだけど。

そして先日、相方にまたそそのかされ人生初の牡蠣小屋に行った。ちなみにその二日前、私は支社長もいる飲み会で謎におなかを壊し、一晩中苦しんだばかり。なぜそんな不調のタイミングでと思うが、誘われたら食べたくなってしまったのだ。

牡蠣小屋は、好きな魚介類を注文し、目の前の網で自ら焼くスタイルらしい。

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うん、とても美味しかった。

美味しかったけど、私はまた牡蠣にビビってしまった。ちゃんと加熱しないとノロウイルスが怖い。殻に口をつけるのも無理。

ビビったがために、私は牡蠣を網の上で焼き続け、せっかく大きかった牡蠣の身はショボショボに萎んで小さくなっていった。美味しい出汁が全部出てしまってたと思う。

しかも、牡蠣小屋を出たあとも影響は続いた。食べてから私は48時間、いつ腹痛がくるかしれない恐怖に苛まれたのである(ノロウイルスの潜伏期間が約48時間のため)。

私が食べた牡蠣たちがフラッシュバックする。あれは火が通っていたのだろうか。お腹を壊して万全じゃないときに食べたし。弱った胃腸がやられたかもしれない。

仕事中も気が気じゃない。牡蠣についてググりまくったので、牡蠣の食あたりには三種類あることも覚えてしまった。

結局何も起きないまま48時間過ぎたときは心底ホッとしたが、同時に思った。

牡蠣は美味さに対する代償がデカすぎる。 

今回の牡蠣小屋に関しては、加熱してるわりに私がビビりすぎなのだが、生牡蠣で想像したら耐えられない。小心者にはなかなか難しい食べ物だ。

ということで、私は生牡蠣の味を知らないまま、人生を終えるでしょう。

未練がないといえば嘘になる。でもそのぶん、他の美味しいものをいっぱい食べてやろうと誓った出来事だった。

はてなブロガーに10の質問

はてなブログ10周年特別お題「はてなブロガーに10の質問

という、私の完全な娯楽で書いてみたお題です。

ブログ名もしくはハンドルネームの由来は?

ハンドルネームを最近「ほとり」に変えた。ほとりとは、畔。つまり水際の端っこのこと。

広い世界の端っこで、ひっそり呟いている。そんな自分の姿を想像して「ほとり」にした。

はてなブログを始めたきっかけは?

コロナになって飲み会や予定が減ると、生活にポッカリと穴が空いてしまった気分に。私が自分の手でできることが何もない、と気づいた。

自分で新しいものを作って、自分らしくいられる場所を見つけたい。

そのための手段を考えたとき、真っ先に浮かんだのが文章だった。下手でもいいからまずは何でも発信してみようと思い、勇気を出して開設してから半年になる。

自分で書いたお気に入りの1記事はある?あるならどんな記事?

強いていうなら「旧友に会う日の悩み」だろうか。

sundays-flower.hateblo.jp

些細だけど、昔からずっと悩んでいたことだった。もやもやしていたその心情を、割と忠実に言葉にできた記事かなと思う。

ブログを書きたくなるのはどんなとき?

私の記事は3種類ある。

ひとつは紹介記事。これを書くときは、良いモノや良い場所を見つけたとき、それを共有したいと思うときだ。

ふたつめは感想文。これは本や映画を観た後、自分のなかで整理するために書いている。そうしないと、私は作品のことをすぐ忘れてしまうからだ。記憶力が欲しい。

みっつめはエッセイ。これは自分のなかで強い感情が生まれたときに書く。誰かに聞いてほしいから。一方で、どこかの誰かがそれに共感して少しホッとしてくれたらいいな、とも願っている。

下書きに保存された記事は何記事? あるならどんなテーマの記事?

いっぱいありました。メモ程度のものも含めると14記事…途中までしっかり書いたのに投稿をやめた記事はこのあたり。

  • コロナワクチン2回目の接種
  • オンライン電話
  • 漫画『Beasters』の感想
  • 私が小説『キッチン』を理解した日

ワクチン2回目のレポートなんかは完全に出遅れてしまい、「情報は鮮度が大事」を痛感した。これからはちゃんとリアルタイムで更新したいものである。

自分の記事を読み返すことはある?

読み返すし、地味に文章を修正している。時間が経ってから読み返すと、読みにくい箇所がたくさん出てきて、自分もまだまだと思う。

好きなはてなブロガーは?

すごく有名な方だけど、kansouさんのこの記事を読んだとき「私が一生かけても書けない文章だ…」と思った。毎回思わず笑っちゃうし、唯一無二の味だ。ジャニオタという観点でも楽しい。

www.kansou-blog.jp

藤井風というテーマもずっと書きたいと思いながら、なかなか魅力が言語化できず、筆の進まないテーマである。それをいとも軽やかに書いてるのが凄い。

はてなブログに一言メッセージを伝えるなら?

いつも色んな企画ありがとうございます。これからもブログ更新がんばります。

10年前は何してた?

10年前の私は受験生で、ひたすら勉強していた。

当時の私は、今以上に人と話すのが苦手で、引っ込み思案で、男の子ともまともに話せない。そんな自分が果たしてこの先の人生でうまくやっていけるのだろうか?と、勉強そっちのけでそんなことばかり悩んでいた。

でも幸運なことに、そのあと学生時代も職場でもめちゃくちゃ良い人達に巡り会えた。その人達のおかげで、引っ込み思案な私でも楽しく過ごせた。

当時の自分には、心配しなくても大丈夫だよと言ってあげたい。

この10年を一言でまとめると?

そういう意味では「自分を好きになれた10年」なのかもしれない。

もちろん今も、自分の嫌いなところは沢山ある。でも全部ひっくるめて私は私、と受け止められるようになった。

ただ、人として成長はし続けたい。10年後にはもっと好きな自分になれたらいいな、と思う。

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怒らないことはいいことか

子どもの頃から私は、怒らないことが正しいのだと思ってきた。

小学生時代は私と友達2人で「仲良し3人組」の構図がよくできたものだが、私以外の2人がケンカするのがいつものパターン。

姉妹でも喧嘩した記憶はほとんどない。もっとも、私が歳上の権威を振りかざして従わせていただけかもしれないが。家族の前ではイライラした様子を出してしまったりするけど、爆発的に怒ることはなかった。

そもそも私は、感情がすぐに表に出るタイプではないし、小心者で他人に強く言えない性格である。

ただ、それだけではない。瞬間的な怒りは大抵の場合、自分の身勝手な感情が理由だと思っていた。私が、自分の嫉妬心や後ろめたさから他人に怒る筋合いはない。

怒りが湧いた時、それが果たして自分勝手な感情なのか、そうでないのか。瞬時に判断して怒りの正当性を説明できる自信がないから、いったん押し込むクセがついた。だからなのか、穏やかだとよく言われる。

でも社会に出ると「それって本当に良いんだっけ?」と思う場面が増えた。

仕事の関係者が納期を守ってくれない。質の悪い対応をする。そのとき怒りをみせないと、改善しないときがある。それは、顧客を守るために必要な怒りなんだと思う。

職場で、年齢に関する失礼な言動をされた。私は曖昧に返してその場を受け流したけど、あとから考えたらめちゃくちゃ失礼な発言だった。受け流すのは簡単だけど、そうすると私は再び不快な思いをするかもしれない。また相手は失礼な発言とも気づけず、別の誰かに同じことを繰り返すかもしれない。

相方への怒りや不満を我慢しつづけると、いつか爆発して取り返しがつかなくなることがわかった。あるとき、自分が怒っている理由と改善してほしい点を泣きながら説明したら、相方はちゃんと向き合ってくれた。

世間には、色んな立場の人の色んな感情と価値観がひしめき合っている。そのなかに私の感情もある。それらは、正しいか間違っているかというモノサシでは測りきれないものだと思う。

私は、私の気持ちを大切にしていい。

なんでもかんでも怒る人にはなりたくない。でも自分の尊厳を守るための怒りはときに必要だと思った。

長年のクセで鈍感になってしまった、怒りのアンテナをちゃんと立てて、自分の気持ちを伝える行為を怠らないようにしていきたい。

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簡単おむつケーキの作り方

先日、会社の先輩のご家庭にお子さんが生まれた。女の子らしい。めでたいこと、このうえない。

私のグループは、各メンバーの誕生日を毎年祝うようなお祭りグループ?なので、今回もご出産祝いをしようという話になった。

出産祝いとは、なるべく実用的なものがいいものだが、商品券だと味気ない。最終的に女性の先輩の発案でおむつケーキを作ることになった。

人生初のおむつケーキ製作は大変だったが、我ながら感動的にいいものを作れたと思う。f:id:chan_0929soba:20211023162957j:image

すごくない?これぞチームワークの結晶。きっと今期は予算達成できる(辛)

おむつケーキは手間がかかるが、人手があれば2時間弱でできたので、ぜひ作り方を伝授したい。なお私が熱中しすぎて、途中から写真を撮り忘れていることは先にお詫びします。

材料

材料は、こんな感じ。

頑張れば、薬局と100均で揃えることができる。ただ装飾に関しては美術的センスが求められるので、ネットで完成品の画像を調べてマネすると良い。

基本(2,500円程)

  • パンパース はじめての肌へのいちばん Sサイズ(アマゾン)・・・80枚
  • 封ができるビニール袋B6サイズ(100均)・・・80枚 
  • マスキングテープ(100均)・・・1個
  • ラップの芯(100均)・・・1個
  • ひも(100均)
  • 台紙用の段ボール・・・50cm×50cm
  • 台紙用のラッピングペーパー(100均)・・・台紙を包める大きさ
  • 使い捨ての手袋(100均)・・・作業人数分
  • アルコール除菌スプレー(薬局)

ポイント:新生児用サイズのおむつは3-4週間でいらなくなるため、SサイズまたはMサイズのおむつがおすすめ。(上司の助言より)

装飾(6,000円程)

  • おむつケーキに乗せる装飾(靴下、ぬいぐるみ、造花など)・・・好きなだけ
  • 布(手芸品店)・・・100cm×60cm
  • 裁縫上手(手芸品店)・・・1個
  • リボン(100均)・・・5m程
  • セロハン(100均)・・・おむつケーキを包める大きさ

作り方

①おむつを丸める

B6のビニール袋におむつを1枚ずつ入れて封をし、画像の矢印の方向に丸めてマスキングテープで止める。これを80個作る工程が1番大変なので、人手を集めたほうがいい。

ポイント:素手でおむつに触ると衛生的によくないため、手袋のうえから除菌スプレーをして作業する。マスクもしました。

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②おむつを組み立てる

ラップの芯を立てた周りにおむつをぐるりと立てていき、1周ずつひもで縛っていく。各段の配置はこんな感じだ。

ポイント:段差に装飾品を置けるよう、1番下の段は前側におむつを多めに巻く

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結構がんばって絵を描いたのに、なんかキモい。集合体恐怖症の人には無理なやつだ。

③おむつの周りに布を巻く

布をおよそ以下のサイズに切る。

  • 1段目・・・タテ20cm×ヨコ100cm
  • 2段目・・・タテ20cm×ヨコ50cmくらい?
  • 3段目・・・タテ20cm×ヨコ40cmくらい?

タテをおむつの段の高さに合わせながら、端を折って裁縫上手で貼り付ける。

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これができたらおむつの1段目、2段目、3段目それぞれに巻きつけ、後ろを両面テープで止める。

④装飾

布の周りにリボンを巻く。この工程は先輩がやってくれたので、詳しくはわかりません(え)

おむつケーキの段差には、装飾品やベビーグッズを置いていく。私はこんなものを購入した。スタイは3枚とも重ねて、おむつケーキの真ん中の段に巻きつけている。

  • ぬいぐるみ(ディズニーストア)
  • ベビー用靴下(楽天
  • スタイ3枚セット(楽天
  • 造花(百均)
  • あひるのおもちゃ(上司の私物)

⑤台紙に乗せ、セロハンで包む

台紙は段ボールを約50cm×50cmに切り、ラッピングペーパーを張りつけた。この上におむつケーキをのせ、最後にセロハンで全体を包み、セロハンテープで止める。

ポイント:セロハンは大判のものが百均に売っていなかったので、私は小さめのセロハンをテープでつなぎ合わせた。

これで、おむつケーキの完成です!!!

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写真がなさすぎて、急に完成したみたいになっている。

先日これを先輩にお渡ししたところ、喜びと戸惑いの間の表情でありがとうと言われた。ですよね。その日は1日中、PCと睨めっこしてる先輩のデスクの横にこの可愛らしいおむつケーキがおりました。

今回はディズニーと決まっていたのでミニーちゃんをテーマにしたけど、機会があればオシャレなおむつケーキも作ってみたい。出産祝いの際はぜひご用命ください。

都内のおすすめ日帰り登山スポット

じゃ◯んみたいなタイトルにしてみたけど、おすすめするのは1山だけという。

3年前に買った登山靴がクツ箱の中でホコリを被っている。それを友人に話したところ、じゃあ山登りに行こうと誘ってくれた。

そうはいっても私たち、ガチな山ガールではない。

関東で日帰りで気軽にいけて、でも高尾山みたいに混んでない山を追い求めた結果、友人が御岳山を提案してくれた。

御岳山は東京都青梅市にあり、標高929m(岸くんの誕生日!)。古くから山岳信仰があり、霊峰といわれていた山だ。

JR新宿駅からだと電車、バス、ケーブルカーを乗り継いで、早ければ2時間程で行ける。

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御岳山にはいくつかのコースがある。私たちは御岳山内の名所を巡るコースを選んだ。

行きは9:40にJR御嶽駅に到着、帰りは14:50頃に御嶽駅に着いた。

www.omekanko.gr.jp

友人と私は最強雨女コンビのため、一度は延期したが、満を持して登ることができた。

運動不足の私が独断と偏見で評価したしんどさレベルとともに、見所を紹介したい。

武蔵御嶽神社

しんどいレベル★★★☆☆

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ケーブルカーを降りてから神社までは、整備された参道が続く。にもかかわらず、急な坂がいくつもあって息が上がった。鳥居に着いてホッとひと息、と思いきや本殿まで延々と階段が連なる。

それもそのはず、この神社が御岳山の山頂なのである。到着するとあたりは霧に包まれていて、神々しさが増してよかった。

長尾平

しんどいレベル★☆☆☆☆

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長尾平は、視界が開けた展望台。友人と私は道を間違えてしまい、一瞬だけ「また本殿までの長い階段を登らねばならないのか・・・?!」という絶望に陥った。調べてみるとダメージは少なかったので心底安心しました。

延期したわりに天気悪くない?!というツッコミがきそうだが、山々の間を白い霧が流れていくこの日の様子も私は好きだった。

七代の滝

しんどいレベル★★★★★

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七代の滝まではひたすら山道を降りていく。個人的に、ここがしんどさのピークだった。登るんじゃなく降りるだけなのに傾斜が激しく、石や木の根が邪魔をするせいで膝が痛くてしょうがない。

でも険しい道を経てたどり着いた七代の滝は、秘境のようだった。水しぶきをあげて滝つぼに流れ込み、自然の迫力が感じられる。鬼滅の刃の炭次郎が修行していそうだ(滝のシーンはないけど)

ちなみにパンフレットにはお弁当スポットと書いてるけど、一歩間違えたら落ちる危険があるし、人も多いのでおすすめはしない。

天狗岩

しんどいレベル★★★★☆

七代の滝からは、長い鉄ハシゴを登らなければならない。最近ランニングをサボっていた私は、ゼエゼエいいながら登った。

登った先に天狗岩がある。遠くから見ると、天狗が上を向いているように見える大きな岩だ。鉄ハシゴで完全にHPを奪われた友人と私は、天狗岩のそばで昼食をとった。自家製の巨大おにぎらずが、疲れた身体に沁みた。

ロックガーデン~綾広の滝

しんどいレベル★☆☆☆☆

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天狗岩を越えればもう、ロックガーデンと呼ばれる1.5kmの山道。昼食を食べるならここも良い。苔むした岩の間を流れる小川のせせらぎを聴きながら歩く道は、癒しそのものだった。植物の濃い匂いも落ち着く。友人と一番テンションが上がったエリアだった。

ロックガーデンの終点には、再び滝があった。綾広の滝である。

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七代の滝と違い、綾広の滝は鳥居があって祀られている様子がある。武蔵御嶽神社の滝行がここで行われているらしい。

天狗の腰掛杉

しんどいレベル★★☆☆☆

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綾広の滝を越えると、なぜか人の気配が消えた。しんとした薄暗い杉林の中を友人と二人で歩き続けると、大きな杉が。

「埴輪みたい」と言った友人の言葉の通りグニャリと曲がって生えた枝には、天狗が腰掛けているといわれていたそうだ。これも霧の効果か、幻想的で良かった。 

パワースポットの恩恵か

御岳山は都内から日帰りで行けて見所もたくさんあり、とても良い山だった。

七代の滝まではかなりハードだったが、これを避けて通れるコースもある。体力に合わせて歩ける山だと思う。

なにより登山は、友だちと喋りながら歩くのが楽しい。小説『夜のピクニック』みたいな青春感がある。ひとりではなかなか踏み出せないから、誘ってくれた友人には感謝だ。

最後に。数日前から悩まされていた背中の痛みが、御岳山に行った翌朝にはすっきりとなくなっていた。筋肉痛も意外とこない。

運動の効果だろうが、それとは違う何かの力もちょっぴりあるのかも、と期待している。