日曜日のなのはな

北極を探しにいく・日曜日更新+気まぐれ

下総中山食いだおれ紀行 後半

私が愛する下総中山のごはん屋さんをただ紹介する記事その2。

前回はこちら↓

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今回はこの4軒を紹介する。

CERBIATTO

ある日、相方がイタリアンを食べたいと言いだして行き着いたのがこのお店だ。下総中山でイタリアンなどみたことないよ…?と思ってたら、駅から体感徒歩2分の立地にあったとは。

とてもこぢんまりしたお店はお洒落なのに、気取ってないから居心地がいい。

料理もひとつひとつ手間をかけているなと感じられる。これまで印象に残っているのは手の平サイズのマッシュルームステーキ、牡蠣、お肉(料理名が横文字だらけで覚えられない)。

そしてパスタの麺がいつもおいしい。たまにしか出ていないラザニアも、チーズがごろんと入ってて大好きだ。

お店をやっているご夫婦とは、実は不思議なご縁の巡りあわせがあった。それ以来、いつも気さくに話しかけてくれてより一層楽しくなった。

下総中山の貴重なイタリアン、これからも繁盛し続けてほしい。

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どうやら、千葉の有名なかき氷&カレー屋さんが下総中山に店舗を出したらしい。先輩からその噂を聞いたのは去年の夏。でも前を通るといつも人が並んでいて、その夏は食べ逃してしまった。

そして今に至るまで、かき氷は結局食べられずじまいである(いつのまにかかき氷ではなくパフェになっているが、結局なに屋さんなんだろう)。

なのでカレーだけを駆け込みで食べることができたのだが、これが来たときは思わず声をあげた。

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いわゆるスリランカカレーというやつ。彩り豊かなおかずがのっていて、見てるだけでワクワクする。少しずつ混ぜて食べると色んな味がして美味しい。

このお店は民家の下のガレージとお庭でやっていて、この日も青空レストラン状態だった。すぐ横を京成線が通り、凄い場所で店をやってるものだ。

かき氷はともかく、このカレーはもっと早くに食べとけばよかったと後悔している。

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マッチョイ

ベトナムをはじめとしたアジアン料理のマッチョイは、下総中山のなかでも特によく通ったお店のひとつだ。

先輩がいつもコースを予約してくれて、みんなで飲みに行っていた。3,800円でこれだけつくのである。

  • 3時間飲み放題
  • 生春巻き×人数分
  • 好きな料理×人数分プラス1品
  • デザート×人数分

どのメニューもしっかり本場の味。辛めのヤムウンセン、エビマヨ、バインセオ(ベトナムお好み焼き)あたりが私たちの鉄板だった。

個人的には揚げ春巻きも大好きだ。ライスペーパーを揚げてるから皮がカリカリで美味しい。ちなみに一度作ってみたら油がハネて悲惨なことになったので、あれはお店で食べた方がいい。

アーモンドのような風味のするネップモイというベトナムウォッカがおいしくて、みんなでベロベロになった夜が幾度もある(そのせいで写真が昼に撮った揚げ春巻きしかない)。愉快に話す店長が毎回その様子を見ていたと思うと、今になって少し恥ずかしい。それも良い思い出か。

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ぼちぼち

みんなで行く飲み会、相方との夕飯、ぼっち飲み、コロナになってからはテイクアウトでも本当にお世話になったお店。もはや第二の家くらいにぼちぼちさんの味に馴染んでいる。

下総中山での最後の晩餐(?)は会社の先輩たちとぼちぼちさんで食べた。これまで食べたことのあるメニューを挙げていくと、けっこう制覇していて驚く。

まず新鮮な刺身は盛り合わせで食べてほしいし、ほうれん草と鶏のグラタンは毎回頼んでしまうし、納豆オムレツはシンプルなのに自分では作れない味だ。アジの南蛮漬けはテイクアウトでもよく食べた。牡蠣の季節には天ぷらが堪らない。先輩が頼みはじめた隠れメニューの炒飯も私たちの間で人気だった。

こんなお店が近くにあるのは本当にありがたかったし、特にコロナの自宅待機期間は、おかみさんに会うだけで少しホッとしたものだ。

最後におかみさんに挨拶すると、餞別に麦焼酎をくださり、最後まで温かった。麦焼酎は今、晩酌のお酒として大切に飲んでいる(ひとりで)。

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これを書いていると、お腹がすいてきた。下総中山に行ったら、どのお店もまた訪れたい。

新しい街でも、美味しいお店との素敵な出会いを探そうと思う。

下総中山食いだおれ紀行 前半

引っ越した今、ようやくこの「下総中山食いだおれ紀行」を投稿できるのが嬉しい。

下総中山は、駅を出ると昔ながらの商店街が続く、懐かしさに溢れる町だ。ちょっと目を凝らせば意外とお店はたくさんあって、私は先輩に教えてもらいながら一つ一つ暖簾をくぐった。

お店の人に顔を覚えてもらう、なんて経験も下総中山が始めてだったかもしれない。そんなお世話になった愛しいお店をここでぜひ紹介したい。

忠実堂

ひとりで調理しているため、注文してから出てくるまでめちゃくちゃ時間がかかる中華料理屋さん。

先輩に勧められるもなかなか時間が取れず、あるヒマな休日にようやくひとりで行けた。お昼の12時に行ったらやはり1時間半待ちました。

ハイブリッドあんかけ炒飯、写真映えはイマイチだが、米おこしや海鮮が入っていて食感が楽しい。

行ったのは1月。寒い冬の束の間の、暖かい昼下がりの日差しも一緒にお皿に乗ったようなホッとする優しい味だった。

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鶏そば 朱雀

私が鶏白湯を心底おいしいと感じたのは、ここが初めてかもしれない。大好きな醤油ラーメンも豊富な期間限定メニューも美味しい。ちなみに先輩のお気に入りは夏限定の汁なし坦々麺だ。

朱雀はハズレがない。でもここに来たらやっぱり、看板メニューの鶏白湯をまず食べてほしいと思う。

ポタージュみたいなとろみのあるスープに鶏の旨味がギュッと濃縮されている。鶏チャーシューは柔らかくて、臭みが全くない。無駄なものを全部削ぎ落とした感じ。柚子が効いているとこもまた良くて、さっぱりしてて後を引く。

仕事終わり、疲れた身体がちょっとした贅沢とカロリーを欲しているときにふらりと行っていた朱雀。私の孤独なグルメを充実させてくれた。

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インドカレーナンハウス

駅前の立地で看板が目立つので存在は知っていたが、怪しんで一度も行ったことがなかった。ある日、近所の先輩たちと10km走ったあと、軒並みランチが終わっていて腹ペコで死にそうになときにノリで入ってみた。

だがやってきた料理を見て、怪しんだことを心の中で謝りました。しっかり本場のカレー。ナンもモチモチで美味しい。

2階にあるせいで店の様子がずっと未知数だったが、インドなインテリアで溢れた店内は清潔で感じが良かった。あまりにも腹ペコだったせいで、みんなで無我夢中で食べたことを覚えている。そのときの記憶がここのカレーの味に焼き付けられてる感じがして、思い出すとおなかが空いてくる。

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二葉鮨

先輩に教えてもらわなかったら、二葉鮨に入ることは一生なかっただろう。

だって入り口がこれだもの。

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絶対「一見さんお断り」のお店のアレのソレやん。でも実際は全くそんなことなくて、豪快でユーモアに溢れた大将と優しい女将さんが温かく出迎えてくれる。そして先輩と通ううちに、私も常連の仲間入りをしていた。行くのは大抵、めでたいことがあった時だ。

刺身、お寿司はもちろん美味しい。ネタがでかい。でも実は洋風のメニューもあってそれも美味しい。噂によると大将は以前、フランス料理をやっていたらしい。寿司屋と謳いつつ、なんでもありなのが二葉鮨だ。

「一見さんお断り」ではないけれど、地元のお店らしい交流はある。大将女将さんと話し、気づけば隣に座っているお客さんともなぜか話している。

ある時は、隣のお客さんが釣ってきた太刀魚を大将が捌いてお裾分けしてくれた。脂がのって身の引き締まった美味しい太刀魚だった。お礼に先輩が、自ら差し入れてくださった日本酒をお裾分けする。

またあるときは、どこかの会社の社長さんが来ていて、気づいたら会計を半額払ってくださっていた。名前も知らない社長さんには感謝である。

二葉鮨では、いつも素敵な一期一会があった。

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その2に続きます!

いろいろあったその「いろいろ」について

年明けから色々あってブログをあまり書けずにいた。端的に言うと、九州に異動しました。

昨年の投稿記事で「場所に縛られずに働いてやる」と意気込んでいた私。

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でも結局、私は勤務地で仕事を選んだ。場所に縛られずリモートワークできそうな部署を希望していたのが、会社の色んな事情によって異動が難しくなってしまったのだ。

やっぱダメみたい…と連絡が来たのは年末の最終日。なんとなく不穏な予感はしていたのでやはり、とは思った。でもせっかく決めたことが白紙に戻ってしまったことはかなりしんどかった。

もう一度、自分がどうしたいかをフラットに考え直した。タイムリミットは1月だった。

1月のこと

このとき私の頭を悩ませたのは4つの選択肢だった。

  1. 興味を持っている営業以外の職種を選ぶ(=やってみたい仕事を最優先に選ぶ)
  2. 営業として地方に行く(=勤務地とライフプランを最優先に選ぶ)
  3. 営業として今の支社の別部署に行く(=異動のしやすさを最優先に選ぶ)
  4. 今回は異動しない

4は選択肢に入れた。でも初任配属からずっといる今の部署にいつづけたら自分が淀むような気がして、今年はさすがに変わりたかった。それに今、異動の決断を先延ばしにしてしまったらいつまでも決められなさそうな気がしたのだ。

ただ、もっと時間をかけて調べれば、良い異動先が見つかるかもしれない。その希望的観測から異動しない選択肢は僅かに残していた。

関東で営業するくらいなら福岡に行きたくて、3も選択肢からなくなった。

でも1と2の間では、最後まで心が揺れ続けていた。

営業以外で私が検討していたのは、ご縁あって上長の方がとても良くしてくれた部署だった。仕事の内容も興味深く、雰囲気も良かったが、働き方としては遠隔地勤務が難しいといわれてしまった。

相方のもとに行けば、私は新たな場所で今までと同じ営業を続けることになる。

ずっと思っていた。これってつまり、仕事と恋人どっちが大事なの?みたいな問いやん。なにその使い古された痴話ゲンカの台詞…

でも二つに一つなのは間違いない。そのなかで2を選んだのは、こんな理由だ。

営業を離れたい

営業と違う職種を選びたい理由って何だろう?とずっと考えていた。ひとつは「表現に携わりたい」で、もうひとつは「営業を離れたい」だったと思う。そして営業を離れたいのは、自分が向いてないと感じるからだった。

ここからは何回考えても私のエンドレスネガティブ思考ループに陥ってしまうのだが、そもそも打合せで毎回ガチガチに緊張する私がなんで営業をやっているんだろうと思っていた。

交渉力もなければ、懐に入り込むような愛嬌とかもない。営業としての素質がないのでは?とずっと感じていた。もう少しばかり、自分に向いている仕事が他にあるんじゃないかと。それを見つけたかった。

ただ、営業に必要な力ってだいたい他の職種でも重要な気がする。そこまで考えると、今、営業から逃げたところで同じ悩みに陥るんじゃないかと思った。営業じゃなくても打合せでは話さなければいけないのである。

初任配属からずっと同じユーザを担当してきた私。だったら「営業経験を活かせます」とか言えるくらいには他のマーケットの営業経験を積もう。そのあとで他の仕事に目を向けてみようと考えた。私の会社なら、その選択肢も可能だと思ったのだ。

相方との将来

こっちの理由の方が強いのだが、これは察してほしい。二人暮らしが上手くいくかの不安もあったけど、遠距離はもう心がもたなかった。

本当に4月から異動になったとして、一緒に暮らしたとして、その先どんな結果に転ぶかはわからない。

でも支社長の「行ってみないとわからないんじゃない?」という、どこまで真剣に言ってるのかわからない言葉は真理だと思った。そして実際、その言葉に背中を押された気がする。

常日頃色んな感情を抱えてるけど、その中でもデカい「距離」というハードルがなくなれば、変わるものはあるんじゃないか。

万が一良くない結果になったとしても、私の人生がそこで終わるわけじゃない。ずっと怖くて足踏みしてたけど、納得いくまで進んでみようと思った。

希望を出してから

こうして異動希望を出したのが1月。そして今、私は希望した場所にいる。

ずっと前から、とにかく偉い人たちに「こんな事情でいつか〜九州行きたいんっスよ〜〜」とジャブ打ちはしていたが、こんなにスピード決定するとは…!

私の希望を叶えてくれた会社には感謝しかない。そして毎度のことながら人には本当に恵まれていると実感した(うちの会社は義理と人情があればめっちゃ頑張ってくれるいい会社やで!!と声に出して言いたい)。

たくさんの人に見送られてやってきたこの土地。早速色んな壁にぶち当たってますが、せっかくの福岡ライフをめいいっぱい楽しむべく、これからも悩んだらとりあえず行動してみる精神で進んでいきたいと思う。

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資さんうどんはいつも私の味方。

ウクライナのこと

こういう話題になると、億劫になってしまう自分がいる。

なんでだろうと考えていたら、「よく知らないのに不用意に発言できない」と思ってしまうからだとわかった。

TLには知識も豊富で賢い人たちがたくさんいる。そんな中で何も知らない私のうっすい発言を投稿したところでいったい何の意味があるのか。

それに「あなたは今まで一度もそういう話をしたことがないのに、今さら何なん?」という誰かからの突っ込みを恐れていた。

このツイートの通りだと思った。今までもずっと世界のどこかで戦争は起きていたのだ。なのになんで今になって、私は戦争反対と言うのかと。

ウクライナとロシアの過去を見てもそうだ。

なぜ今、ロシアはウクライナに侵攻したのか?背景を調べるほど、今になって始まったことじゃないことがわかる。

www.nikkei.com

私がのんきに暮らしている間にも世界では色んなことが起きていたのに、みんながざわついているのを見て私はようやく気づいた。結局自分はメディアに操作されていると感じる。そんな私に発信する資格なんてあるのだろうか。そう思ってしまい、ひっそりと募金だけしたりしていた。

でも、声をあげることは無意味じゃない。むしろ声をあげないと何も変わらないという言葉をみて、私は心から反省した。

ロシアの攻撃によって奪われる命と生活がある。どんな経緯があったとしても、どんな歴史があったとしても、戦争は起こしてはならないことなのだ。それだけは間違いない。だから私も声高に「戦争反対」「No War」を発信していきたい。

そして今回はリアルに、遠い異国の話じゃないと思った。危機感を感じる。だからこんなに騒がれているというのもあるんだろうな。

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冬のポーラ美術館

年明けからずっと、ポーラ美術館に行きたかった。

箱根の、しかも主な観光地とも少し離れているポーラ美術館に行こうとすると、ちょっとした旅になる。気軽に行けないので先延ばしにしていたが、冬のうちに行かねば!と友人に連絡して付き合ってもらった。

ポーラ美術館

早朝から新幹線、登山バスと乗り継ぎ着いた美術館は濃い霧に包まれていた。半分地下に埋まったような、前衛的なガラス張りの建物に入るだけでワクワクする。

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ポーラ美術館では、去年から収蔵品に加えて『ロニ・ホーン展』をやっていた。アメリカ出身の現代芸術家の個展だ。今年の3月末までやっているらしい。

先週積もった雪と霧で、真っ白になった森をバックに見るロニ・ホーンの作品は透明感が増していた。全て鋳造ガラスでできた作品は、まるで水を湛えているようにしか見えない。しんとした美しさに浄化された。

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ただ、これが森の中にあると貞子が出てきそうに見えてしまう。

アイスランドで撮影した写真が並ぶ『円周率』。一見ランダムな写真の羅列が、順番に見ていくと映画のワンカットのように物語を紡いでいく。

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『ロニ・ホーン展』のほか、3つの展示を見た。ポーラ美術館が収蔵するモネのシリーズは色鮮やかで温かい。眩しい光が注ぐ作品を見ると、夏が少し恋しくなった。友人と二人で、近づいたり遠ざかったりしながらじっくり見る。

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美術館の外に出れば、森の中にも常設の作品がたくさんある。自然のなかに人工物が突如現れる微妙な違和感って、面白いしワクワクした。

ポーラ美術館

  • 入館料1,800円 ※ローチケや小田急トラベルで買うと200円引きになります

かま家

ひとつひとつの作品をしっかり見ていたら、3時間近く経ってしまった。寝坊して朝食を食べそびれた私は腹ペコだ。前から気になっていた「かま家」に向かうことにした。美術館を出て、山道を歩く。

「かま家」は釜めしの店だ。ご飯を炊いている間に併設のお風呂に入ることができるというのが魅力的で、どうしても行きたかった。そもそも冬に箱根に行きたかった理由は、寒いほうがかま家の良さを味わえると思ったからだ。

年季が入った平家のお店は、おばあちゃんのお家に来たような懐かしさを感じた。そして実際に働いているのもおばあちゃんズである。

私たちは畳の部屋の一番奥に通された。メニューは7種類の釜飯。どれも1,580円だ。友人と相談し、しゃけの親子釜めしと穴子釜めしを頼んで半分こすることにした。

注文すると釜が運ばれてきて、火をつけてもらう。炊き上がるまでの40分をタイマーで測ってもらうと、私たちはお風呂に向かった。

脱衣所も昭和の雰囲気漂う古さで、少し緊張してしまう。一回、客の男性が間違えてドアを開けてきてびびった。私たちが服を着てたからよかったけども…

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お風呂は二人で入ってちょうどいいくらいの、民宿のお風呂みたいな狭いお風呂だった。でも、お湯は硫黄がふわりと香る白濁のちゃんとした温泉だ。寒さで凍えた身体がほぐれていく。非常に気持ちよかった。

お昼時で繁盛してたにもかかわらず、お風呂は私達と1組の親子しかいなかった。古めかしいお風呂にはやはり抵抗を感じるのだろうか?古いもの好きな私には楽しかったが。

ホカホカの体で席に戻ると、釜めしが出来上がっていた。せーので開けると、なんとも美味しそうなご飯が湯気を出す。

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おかずと味噌汁、お漬物もついてくる。私は無心で食べた。薄味の炊き込みご飯が心身に沁み渡るおいしさだった。これぞ日本の宝。米と味噌汁があれば、私は生きていける。

食べ終わると熱いほうじ茶を飲み、友人と何気ない話をしながらぼーっとしていた。今ここで横になったら一瞬で寝れるな、なんて考えながら。

ただ、寝るわけにはいかない。畳に名残惜しさを感じながら、私たちは店を出た。

かま家 (かまや) - 強羅/釜飯 | 食べログ

  • 釜めし:1,580円
  • お風呂代:750円
  • シャンプー、リンス、ボディソープ有
  • ドライヤー有
  • タオルは100円で購入可

ロマンスカー

帰りは登山バスから強羅で箱根登山鉄道に乗り換え、箱根湯本に向かう。山沿いや鉄橋を渡る登山鉄道はアトラクション感があって楽しい。

箱根湯本に着いたにもかかわらず、眠りこけている女の子2人組がいたので、窓をコンコン叩いて起こしてあげた。我ながら、私達だとバレないように上手く起こせたものである。

ロマンスカーの時間までは余裕があったので、箱根湯本のカフェで過ごす。湯葉と豆腐のぜんざいを食べていると、雨が降ってきた。やっぱり私たちは雨女なのかもしれない。

17時になったので、ロマンスカーの乗り場に向かった。

みんなが写真を撮っていたので何だろうと思っていたら、この車種が来月で引退するらしい。

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車内は、そんな長年選手とは思えないほど綺麗だった。

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ロマンスカーを使うと明らかに時間がかかるのだが、箱根に行くならやっぱり乗りたくなってしまう。まず、名前が良いよね。

ぜんざいでお腹いっぱいになってしまった私たちは駅弁を食べることもなかったけど、乗っているだけで楽しかった。帰る頃には雨があがっていた。

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冬の箱根は寒かったけど、家に着くとなぜかぽかぽかしていた。身体からほのかに硫黄の香りがする。美術と温泉、友人との時間で癒された休日だった。

副社長と対談してみた話

私の職場はTHE・日系企業という感じの会社だが、そのお堅い企業文化を改革すべく、ここ数年は外部から人を雇って改革本部を作ったり、現場からボトムアップでプロジェクトを立ち上げたりしている。

その一環みたいな形で、経営陣×若手のオンライン対談イベントを主催することになった。

幹部1名と有志の若手メンバー4名がそれぞれ自宅でお酒を飲みながら、リモート接続で対談する。それをZoom Webinarで生配信するという社内イベントである。

きっかけ

企画自体は私の同期が立ち上げたもので、全国の様々な部門の若手が持ち回りで開催する。出演する経営陣も都度変わる。

その同期から私に連絡があり、第3回目となる副社長との対談を任されたというのが事の経緯だ。

「経営陣と若手社員が本音トークをすることで、視聴社員に経営陣をより身近に感じてもらいたい。そしてこの場を借りて若手の意見を経営陣、会社にぶつけていきたい」

そんな熱い思いを持ち、行動に移す同期は凄いと思う。

私はというと、そんな情熱も行動力もない。同期のよしみでお願いされたから、じゃあやるかとなった。それに、イベント企画をやるのは結構好きなのだ。

こんな軽い気持ちで引き受けたのが秋のこと。それから準備が始まった。

メンバーを集める

だが、軽い気持ちでやるには重たいイベントだった(そんなことは最初から明らかだったけどやっぱりそうだった)。

まず、メンバー集めに苦労した。

一人は絶対信頼のおける人にしたかったので、仕事ができてトークも上手そうな後輩に声をかけた。先輩の権力により、もちろんオッケーである。

残り2人のメンバーを集めるためには、自部門の若手会に募集をかけてみた。だが60人以上いる会にもかかわらず、誰一人手を挙げない。

うん、やっぱりそうですよね。忙しいもんね。

ま、若手会で募集をかけたのはみんなに平等にチャンスを与えたよっていう建て付けが欲しかっただけやし?と強がってみたが、そんなことを言ってもどうしようもない。結局、私の独断と偏見で後輩を2人選び出し、個別に依頼した。これも先輩の権力により、オッケーである。

私が先輩である以上、「先輩の権力」がどうしても働いてしまい半強制的にやらせてる気がしてすごく嫌だった。でも若手会で最年長の私が、年次バラバラのメンバーを揃えようとすると後輩を誘うしかなかったのである。

こうなったら後輩たちの顔を売るために絶対成功させねば、という責任感が原動力に加わった。

メッセージを考える

100%オンラインとはいえ、当日までには多くの準備が必要だ。

Webinarの運営部署と段取りを整理してリハーサルを行い、イベントの告知記事を社内ポータルに掲載し、副社長に事前説明をする。副社長が当日に飲むお酒も手配しなければいけない。やり方は確立しているが、手を動かすのは全て私たちだ。

だが、そんな作業は面倒でも大変ではない。メンバー集め以上に大変だったのは、対話のコンセプト構想だった。

後援してもらっている改革本部の人にはこう言われた。

「対談でただ副社長とおしゃべりするのではなく、私たち若手が副社長との対談を通して会社に発信したいメッセージを考えてほしい。」

「上司に言っても取り合ってくれないような若手の意見や問題提起も、いきなり経営陣にぶつけてしまえば変えられるかもしれない。そんな機会にしてほしい。」

私は後輩たちと何度も話し合って、テーマを2つ決めた。

  • 部門間の壁を壊せ!私たちがハブとなるためには ※一部省略
  • 時代は変わった!これからの私たちに求められる営業像とは

このテーマを台本に落とし込んでいく。若手の考えが伝わるように発言と質問を組み立て、流れを作っていくのがまた大変だった。

終わってから振り返ると、もっと当日のアドリブに任せても良かったかもしれない。

でも後輩たちが真剣に考えてくれたおかげで内容に深みが生まれ、若手の存在感が示せたんじゃないかと思う。それに話し合っていくなかで、みんなモヤってることや、秘めてる情熱みたいなものがあるんだと知れて良かった。

こうして約3ヶ月、業務の合間にちまちまと準備を進めて当日を迎えた。

当日

当日、私は自分からかってでたファシリテーター役に至極緊張していた。副社長との事前顔合せすらガチガチだった自分が、なぜファシリテーターをやると言ったのか…

きっと大丈夫、と言い聞かせ、開始まで秒読みになると自分のボルテージを最大限に上げた。

そこからの記憶はあまりない。

ファシリテーターは難しかった。副社長の話にアドリブでコメントし、時間を見ながら質問を足したり削ったりして調整し、裏でみんなに連絡して、でも顔が死なないように気をつけて、とやってたら脳がショートした。

どうやら良い回にはなったようだ(と思いたい)。

副社長は話しやすい快活なおじさまという印象だった。読んでいる本の話やゴルフの話で盛り上がったし、私たちが設定したテーマについても熱く語ってくれた。

対話が終わると、同じ部署の人や同期が連絡をくれた。アンケートの結果を読むと、ネガティブなコメントもあるが好意的な回答がほとんどで、やって良かったなと思う。

何かがすごく変わるわけじゃないけど

この対談をやったからといって何かが劇的に改善するとか、成果が生まれるわけじゃない。今回視聴した社員が果たしてどれほど、意識が変わったかもわからない。

でもこれを何回も続けていくことが大切なんだろうなと思う。まだ次回のメンバーを見つけられていないけど。

そして、対談を通じて得たものは私たちの方が多かった。特に副社長や改革本部の人と話すことで新しい世界を知れたし、自分の無知を思い知った。きっかけは軽い気持ちだったけど、それでも良かったのだ。

最後に。私が副社長に選んだお酒は、東京港醸造さんの「江戸開城」。都会のど真ん中で美味しいお酒を造るという挑戦に挑んでいるその精神を、私も見習いたいなと思う。

東京港醸造株式会社

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夜行バスが好き

と言うと、たいてい変な顔をされる。これまでに共感してくれた人は今のところ二人くらいしかいないので、きっと少数派なんだろう。

夜行バスの利点といえば安さだ。だがその代償はデカい。何時間も狭い座席に縛られて身体はバキバキ。おまけに他人と隣同士じゃ、ぐっすり眠れない。働き始めてお金に困らなくなればわざわざ乗るものじゃない、という意見は理解できる。

こうして周りの乗客が自分より年下ばかりになっていくなか、私は社会人になってからも夜行バスに乗っている。

関西に行く頻度が多かった頃は、少しでも交通費を浮かせたいというシビアな理由もあった。

でもそれだけじゃ乗ってないかもしれない。心のどこかでは、やっぱり純粋に夜行バスが好きなのだ。

お気に入りのバス会社

夜行バスに乗る時は決まってVIPライナーを選ぶ。

vipliner.biz

快適な設備の割に、曜日や便によってはお手頃価格なところが気に入っている。そして民度が高い。

VIPライナーじゃない高速バスに乗ったとき、前に座っている女子二人組に一度キレたことがあった。深夜になってもコソコソ喋りながらお菓子を食べているのがうるさくて許せなかったのだ。

でもVIPライナーに乗るようになってからは、他の乗客にストレスを感じたことがない。民度は重要なポイントだ。

夜行バスでの過ごし方

夜行バスに乗るとき、イヤフォンは必須だ。ネックピローに空気を入れて毛布をかぶったら、音楽を再生する。

私は夜行バス用のプレイリストを作っていて、少しずつ曲を追加していくうちに162曲になった。

おすすめはサカナクションの「mellow」やCharaの「上海ベイベ」、山下達郎の「FUTARI」、King & Princeの「ナミウテココロ」。このプレイリストを消灯後から夜通し流し続ける。

暗闇の中で、遮光カーテンから微かに漏れる外灯の光。規則正しく流れていく光をぼんやり眺めて音楽に浸るうちに、とろとろと眠りに落ちていく。この時間がとても好きで、私は夜行バスに乗っている。

熟睡するときもあるけれど、眠っているのか起きているのかもわからないような狭間を行き来して、ずっと微睡んでいるときがほとんどだ。

眠れなくてもいいや、と思うようになってからは気が楽になった。狭間のフワフワした感覚のなかで意識の遠くから聞こえてくるサカナクション山下達郎は幻想的で心地いい。

途中の休憩で降りたことはほとんどない。深夜のサービスエリアを楽しみたい気持ちもあるのだが、バスが止まっていることに気づかず出遅れてしまう。

そうこうしているうちに寝てしまい、いつのまにか朝になっている。

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お楽しみ

ボーッとしながら、人のいない早朝の都会を抜けて帰る時間も好きだ。

夜行バスに乗ったあとは朝マックと決めている。大阪行のバスの降車場所から駅に向かう途中にマクドがあり、毎回寄っていたら恒例行事になった。

年に数えるほどしかマクドに行かない私にとっては、こんなマイルールもちょっとした楽しみだ。

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先輩が好きな乗り物について書いていたので、私も真似をしてみた。

夜行バス、乗ってみたくなりましたか?